【なでしこ】アルガルベ杯、ドイツに完封負けも近年で一番の収穫 (2ページ目)
熊谷の随所で見せるボールカット、シュートブロックに何度も救われたが、後半、こだわってきた1対1の勝負が勝敗を分けた。ロングボールで抜け出し、個で勝負する。日本の一番苦手なところを揺さぶり、綻(ほころ)びが見えたら一気に突く。ドイツの思惑にハマってしまった。「悔しいけど、これが現状。点を取りに行ってるところで後ろが我慢できないとダメ。負けて悔しかったでは終わらせたくない」と改めてレベルアップを誓った熊谷。
彼女には求める理想がある。「ポジション柄、個で勝負したい部分もあるし、やらなきゃいけないところがある。個ではやられるから連携を高めるんじゃなくて、そういうエラーがおきたときに連携でカバーするっていう意識にしたら、もっと強くなる」。そのためには、今以上に個を高めなければ同じ悔しさを繰り返し味わうことになる。またひとつ、超えるべき課題がみつかった。
同じ連続失点を逆手に取ったのが宮間だった。連続失点のあと、宮間の顔つきが変わった。かなり強引に攻撃を組み立てる。力技で流れを引き戻そうとした。空振りに終わっても、また形を変えて繰り返す。その間、攻撃のリスクとして何度も失点の危機を迎えたが、DF陣を信じ、ゴールを取りに行く姿勢は最後まで緩めなかった。少しずつゴールに近づくも、得点という形には最後までたどり着けず。それでも宮間にとってこの後半45分は大きな意味があった。
「自分の中では0-3の試合じゃない。ドイツとの差は確かにあるけど、点を取りに行ってやられてるので、試合の運び方をしっかりすれば自分たちで変えられると思う」
昨年6月のヨーロッパ遠征で日本はドイツと対戦し、2-4で敗れている。このときの宮間は、珍しく落ち込む姿を隠そうとしなかった。「自分の出来なさがショックだった」。
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