ハーフナー・マイク「今の日本代表は無限の可能性を秘めている」 (2ページ目)
「正直、物足りないですね。後半戦は9ゴールを挙げられたので良かったですけど、前半戦は2ゴールだけ。前半戦がもっと良ければ、ゴール数はもっと積み重ねられた。トータルで11ゴール取れたといっても、自分としては満足していないし、むしろ恥ずかしい数字だと思っています」
そう自虐的な笑みを浮かべたハーフナー。彼の中では「もっとやれた」という気持ちが強いのだろう。だが、結果を出したことは間違いなく自信につながっているはずだ。前半戦はサイドで、後半戦もトップ下でプレイするなど、本職のセンターFWではなく、不慣れなポジションで叩き出した数字だけになおさらだ。
「最初は、FWじゃないことでの葛藤もありましたが、試合に出ることが大事だと思って(気持ちを)切り替えました。結果、いろいろなポジションを経験して、それが今、代表でFWとしてプレイするうえですごく生きています。例えば、『こういうときは、FWに(ボールを)もらいに来てほしいな』とか、2列目の選手の気持ちがよくわかるようになって、そういう動きを意識するようになりました。また、違うポジションでプレイすることで、FWがいかに重要なポジションなのか、改めて認識できた。FWとしての意識が、すごく変わりましたね」
変化したのは、意識だけではない。今季は肉体改造にも取り組み、ストライカーコーチからは、ポストプレイにおける体の使い方などをイチから学んだ。
「欧州では当たりが強いので、そこで負けないようにしなければいけないし、競り合いのときなどは、相手を抑えられるようにならなければいけない。それだけの体を作るために、上半身を中心に週2回程度、筋トレをするようになりました。効果ですか? ありましたね。簡単に当たり負けしなくなりました。
また、ボールを受ける際の動きとか、ボールを失わないキープの仕方とかも、(コーチに)細かく指導してもらった。試合のビデオを見ながら教えてもらうこともあるんですが、そのときは『おまえ、ここで体を張ってキ-プできないなら、ベンチで寝ていろ!』とか言われたりして、結構ボロクソ言われていましたね(笑)。そういう意味では、メンタル面もかなり鍛えられました(笑)」
体が強くなり、動きの質が上がると、チームメイトからボールが出てくるようになった。きっかけとなったのは、1月27日に行なわれたホームのアヤックス戦だった。
「その試合、自分はゴールもアシストもなかったんですけど、みんなが自分にボールを預けてくれたし、自分からもボールをうまく呼び込めた。しかも、3-2の逆転勝利を飾った。みんなの信頼を得た、手応えのようなものを感じられた試合でした。それから、(自分の)ゴール数も増えていったんです」
2 / 4