【なでしこ】女子CL決勝で出番なし。
リヨン大野忍と大滝麻未の未来は? (2ページ目)
2011年のワールドカップで優勝、昨年はロンドン五輪で銀メダルと輝かしい実績を誇る日本の女子代表選手であろうと、クラブはポジションを空けて彼女たちを迎え入れてくれるわけではないのだ。
スタンドから試合を見つめた大野は、「ピッチに立てなかったのは残念。そこは課題だし、頑張らないと」と、まずは悔しさを口にしながらも試合を見る目は冷静だった。大野が語る。
今季途中からリヨンに加入した大野忍。定位置をつかめずCL決勝ではベンチ外だった「日本にも足りないことがある。両チームの選手は日本人にできないことをやっていた」
そして、大野は「(日本に足りないのは)フィジカルのところ。そこが一番だと思う」と続けた。
確かに、激しい球際の争いとスピード感あふれる攻守の入れ替わりには、日本人ではそうそう真似のできない迫力があった。その意味において、この日のピッチ上に日本人選手の姿がなかったことは仕方のないことだったのかもしれない。
しかし、その一方で大野は、「日本人のほうがもっとやれることが多いのかな」という印象も口にしている。それは単にこの試合だけを見ての感想ではなく、日々、ヨーロッパのサッカーにもまれるなかで感じていることでもあるのだろう。
つまり、ヨーロッパの高いレベルを実感しながら、そのうえで「自らを生かす術」を見出しつつあるということだ。
結果的に、大滝も大野も、ヨーロッパ女王を決める大一番に出場することはなかった。そのこと自体、本人たちにとっても日本のファンにとっても残念なことだったに違いない。
それでも日本の女子サッカーが歩みを止めることなく、さらなる成長を遂げようと思えば決して悪いことではない。彼女たちは今、必要な試練を味わっているところである。
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