【なでしこ】女子CL決勝で出番なし。リヨン大野忍と大滝麻未の未来は?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 UEFA女子チャンピオンズリーグ(WCL)決勝が5月23日にロンドンのスタンフォードブリッジで行なわれ、初出場のヴォルフスブルグ(ドイツ)が3連覇を目指したリヨン(フランス)を1-0で下し、初優勝。ヨーロッパのナンバー1女子クラブの座に就いた。

 リヨンに所属して2シーズン目となる大滝麻未が、悔しさをにじませて語る。

フランスの女子チャンピオンチーム、リヨンに所属する大滝麻未。CL決勝でベンチ入りするも出場はなしフランスの女子チャンピオンチーム、リヨンに所属する大滝麻未。CL決勝でベンチ入りするも出場はなし「個人としてはもちろんですが、チームとしてもまだまだ課題は多い。(相手に)引かれたときにどういう攻撃をするか。共通意識が足りなかった」

 大会2連覇中だったリヨンは、今回で4季連続の決勝進出。「女バルサ」のごとく、ボールポゼッションで優位に立ち、パスをつないで攻撃を組み立てるスタイルは女子最強クラブの称号にふさわしいものだった。

 ところがチャンスを生かせず、なかなか得点できずにいると、不用意なハンドでPKを与え、わずか1点に泣いた。試合内容を考えれば、リヨンにとってはあまりに悔しい敗戦となった。

 だが、大滝の悔しさは、それだけにとどまらない。1点を追う展開にあって最後まで出番を得られなかった事実は、FWというポジションを務める選手にとっては非常に重い。大滝は言う。

「(自分が)点を取るという気持ちはもちろんありましたが、そこまでの信頼を得られていないのが現状。もっとアピールして、こういうときに出させてもらえる選手にならないと」

 リヨンには現在、大滝のほかにも、同じくFWの大野忍が今シーズン途中から所属している。だが、この試合、大野は右足首のケガもあってベンチ外。大滝はベンチにこそ入ったものの出場機会はなし。結局、日本人の2選手はピッチに立つことなく、試合終了のホイッスルを聞いた。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る