【日本代表】カナダ戦の収穫。「本田不在」でも生まれた攻撃のリズム

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

前半トップ下でプレイした香川真司。ゴールはなかったが、後半はチャンスにからんだ前半トップ下でプレイした香川真司。ゴールはなかったが、後半はチャンスにからんだ 現在進行中のワールドカップ北中米予選ではすでに敗退し、FIFAランキングは日本の26位を大きく下回る68位。そんなカナダを相手に、日本代表は何とも締まらない試合をしてしまった。

 どことなく淀んだ空気は、試合開始直後から漂っていた。

 キャプテンの長谷部誠が「立ち上がりからよくなかった」と語ったように、日本は押しているようでいて、肝心なところでミスを連発。9分に相手GKのクリアミスに乗じる形で、岡崎慎司が先制ゴールを決めたものの、日本が主導権を握っていたとは言い難い。

 特に前半は選手同士の距離感が悪く、効果的な攻撃につながるパスコースを作ることができなかった。そのため、わざわざ難しいパスを選択せざるをえなくなってミスを増やし、苦し紛れに1トップの前田遼一目がけてロングボールを蹴り込むことも多かった。長谷部が語る。

「ロングボールを前田さんに当てて、そこでボールを失う場面が多かった。あれではフィジカル的につぶされてしまうし、FWは苦しい。焦って(前田にボールを)当てずに、もっと中盤でつなげればよかった」

 DFラインからの攻撃のビルドアップに苦労していた伊野波雅彦も、「相手が前から(プレスに)来ていたのは確かだけど、もうひとつ外せれば前(へのパスコース)を見つけられたと思う」と反省を口にする。

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