【日本代表】カナダ戦の収穫。「本田不在」でも生まれた攻撃のリズム (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

後半からトップ下に入った中村憲剛は、日本の攻撃にいいリズムを生み出した後半からトップ下に入った中村憲剛は、日本の攻撃にいいリズムを生み出した 後半に入ると、確かに選手同士の距離感は改善され、テンポよくパスが回るシーンは増えた。特に香川、中村に加え、サイドバックの酒井高徳も絡んだ左サイドからの攻撃はスピード、厚みともに十分で、そこにいるはずの本田圭佑、長友佑都の不在を補えるだけの迫力が備わっていた。実際、ハーフナー・マイクの決勝点は、この3人の左サイドでの崩しから生まれている。

 すでに来年のワールドカップ出場の可能性が消え、「ベテランから若いタレントに切り替えている段階」(フォンセカ・カナダ代表監督)のチームを相手に、2-1の辛勝。この試合を単体で捉えれば、およそ評価に値するものではなかった。

 だが、あくまで本番は4日後のヨルダン戦である。香川は「前半のように後手を踏むと、(ヨルダン戦は)厳しい試合になる」と自戒しつつも、「今日出た課題を修正して臨みたい」と、この試合で確かな収穫を得たことをうかがわせた。

 これを本番前の仕上げとなるスパーリングと考えるならば、悪くない相手との悪くない試合だったのではないかと思う。

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