【日本代表】ボランチ・高橋秀人。「4番目の男」では納得できない
FC東京所属のMF高橋秀人(たかはし・ひでと)。1987年10月17日生まれ。群馬県出身。前橋商高→東京学芸大→FC東京。ブラジルW杯まで446日
『ザックジャパンの完成度』
連載◆第14回:高橋秀人
「すごく悔しいです」
FC東京のMF高橋秀人は、日本代表における自らの現状について、そう語った。
昨年4月、高橋は日本代表候補合宿に初招集され、5月のアゼルバイジャン戦で途中出場して代表デビューを飾った。以来、ずっと代表メンバーに名を連ねているが、出場した試合はわずか4試合。スタメン出場はいまだにゼロという状況だ。
高橋が務めるボランチには、攻撃のキーマンである遠藤保仁、代表キャプテンの長谷部誠がいて、簡単に試合に出場できる環境ではない。だが、招集されれば、試合出場への意欲は高まる。試合に出て、チームに貢献したいと強く思うのは、選手であれば必然だろう。
「Jリーグでもたくさんのボランチの選手がいる中で、(自分を代表に)呼んでもらっていることはすごくうれしいですし、代表の一員として、チームの勝利は素直に喜ぶことができます。だからといって、いつも試合に出て、直接的にチームの勝利に貢献することができていないので、本当の意味で代表の一員になったとは、まだ思っていません。現状は、ヤットさん(遠藤)、長谷部さん、(細貝)萌さんに次ぐ、4番手ですしね。
試合に出られないのは、普段の代表の練習でも自分の能力を出し切れていないから。自分の実力がまだ(代表のレベルに)ついていっていない面もある。それに、最近は酒井高徳や(酒井)宏樹ら若い選手が試合に出て、自らのプレイを理解してもらえる機会が増えているけれども、自分はそうした機会がまだ少なくて、(自分が)どういうタイプなのか、監督、選手、スタッフにわかってもらえていない。もっと"高橋秀人"という存在を示したい気持ちはあるんですが、なかなかチャンスがなくて......。そういう意味でも、ほんと悔しいです」
高橋が現状打破するには、普段の練習から自分の特徴をアピールしていくしかない。そのうえで試合に出場した際、レギュラーの遠藤や長谷部との違いを見せつけることで、自ずと出場時間が増えていくはずだ。高橋は、その違いである、自らの持ち味をどう捉えているのか。
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