【なでしこ】U-20世代が成長も、まだまだ存在する「なでしこジャパンとの差」 (2ページ目)

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

浦和は猶本や柴田らヤングなでしこが攻め込むもINACの守備を崩せず敗退浦和は猶本や柴田らヤングなでしこが攻め込むもINACの守備を崩せず敗退 特に柴田は、「独特のドリブルで緩急をつけたり、こちらの嫌がるプレイをしていた」と澤が語ったように、豊富な運動量と繊細なボールタッチを武器に、幾度もチャンスをつくりだした。今季リーグ得点王となった高瀬も、浦和の藤田と2年前のU-20W杯で一緒にプレイしたこともあるだけに、「思い切りのよさがあって、物怖じしない。それに、技術では自分よりもかなりうまいです」と浦和の若手の力を認める。

 しかし同時に、「自分たちには(若手にはない)経験があるし、気持ちで負けない。とくに1対1では負けないようにしています」と高瀬が話し、川澄が「INACには場面場面でアクセントをつけたり違いを出せる選手がそろっている。だから、特に相手の良さを消すことについて意識はしませんでした」と語ったように、力の差があったことも事実だろう。

 浦和は終了間際にもゴール前で決定的なチャンスがあったがこれを決められず、結局1-0のまま試合終了。INACの3年連続決勝進出が決まった。

 惜敗した浦和はこれで、今季、リーグ、カップ戦を含む4試合すべてでINACに勝てなかった。若いタレントが多く伸びしろが大きいチームであることは間違いないが、柴田が「仕掛けの部分、個の部分は結構いけたかなと手応えを得ましたが、2枚3枚来られた時の判断の速さをもっとレベルアップさせたいと思います」と語ったように、まだまだ技術、メンタル面で課題を残す結果となった。

 この日の内容も含めて、なでしこの選手とヤングなでしこの選手の一番の違いはゴール前での判断の質や落ち着き、シュート技術といえるだろう。トップ下で先発し浦和の攻撃を牽引した若きホープ、猶本もこう語る。

「相手の逆をつくことを常に意識して、今日はうまくいくときもありましたが、それがゴールにつながらなかった。もっとチャンスにつながるようにしたい。それに今日はシュートゼロでしたから、もっと練習します!」

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