【なでしこ】U-20世代が成長も、まだまだ存在する「なでしこジャパンとの差」

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

中盤でなでしこジャパンの澤とマッチアップしたヤングなでしこの猶本光中盤でなでしこジャパンの澤とマッチアップしたヤングなでしこの猶本光 34回目を迎えた皇后杯全日本女子サッカー選手権大会は22日に大宮のNACK5スタジアムで準決勝の2試合が行なわれた。第1試合は、準々決勝でリーグ3位の岡山湯郷Belleを2-1で下した伊賀FCくノ一と、日テレ・ベレーザを2-2の末にPK戦で下したジェフ千葉市原レディースが対戦。互いに強豪を下した勢いのある両チームは互いに一歩も譲らず1-1でPK戦に突入。これを制したジェフが初の決勝進出を決めた。

 第2試合では、大会2連覇中のINAC神戸レオネッサと、09年、10年大会準優勝の浦和レッズレディースが対戦。ともに代表選手を擁し、リーグ戦でもヒートアップするこのカードは、ヤングなでしこ(浦和に7人)対なでしこジャパン(INACに7人)という図式が注目を集めた。

 INACはキャプテンの大野忍がケガ明けのため大事をとってベンチスタートとなったものの、GK海堀あゆみ、近賀ゆかり、田中明日菜、澤穂希、川澄奈穂美、高瀬愛実と6人のなでしこジャパンが先発。一方の浦和はGK池田咲紀子、坂本理保、柴田華絵、猶本光、加藤千佳と、5人のヤングなでしこが先発した。※藤田のぞみはケガで欠場、和田奈央子はベンチスタート。

 試合は序盤からINACペース。攻撃の起点となるトップ下の大野を欠いたこともあり、「普段やらないポジションのメンバーもいて、コミュニケーション不足もあった」(澤)ため、中盤のパス回しにややぎこちなさもあったが、澤とチ・ソヨンが抜群のカバーリングで対応した。

 INACが高い位置からプレスをかけ続けると、前半7分、INACのFWゴーベルヤネズのプレッシャーを受けた浦和GK池田がもたついてボールを奪われ、そのまま失点。INACにとってはラッキーな形で早い時間帯での先制点となった。

 しかし、浦和も徐々に盛り返す。コンパクトにパスをつなぐINACに対してピッチをワイドに使い、ボランチの庭田亜樹子を中心に2列目の猶本と柴田の息の合ったコンビネーションがINACの守備ブロックを崩しにかかる。

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