【なでしこ】成長を示せるか?リヨンの大滝麻未がロンドン五輪の戦友と対決

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko

試合後に駆け寄って話し合う大滝と有吉試合後に駆け寄って話し合う大滝と有吉 11月22日から国際女子サッカークラブ選手権が日本で開催されている。参加しているのは、女子ヨーロッパチャンピオンズリーグで2連覇を達成したオリンピック・リヨン(フランス)、オーストラリア女子サッカーリーグの2011-2012シーズンを無敗で制したキャンベラ・ユナイテッド、また日本代表として、なでしこリーグカップ優勝の日テレ・ベレーザ、なでしこリーグ2連覇を果たしたINAC神戸レオネッサの計4チーム。世界でも初の試みとなる大陸別の女子サッカークラブ選手権となる。

 記念すべき第1戦はベレーザvsリヨン。リヨンは今大会の優勝候補筆頭だ。ネシブを筆頭に所属選手のほとんどがフランス代表であり、さらにスウェーデン代表のエースであるロタ・シェリンも在籍する女子クラブのスター軍団なのだ。

 フランス代表といえば、この夏のロンドン五輪の準決勝でなでしこジャパンと対決した一戦が記憶に新しい。結果こそ2-1でなでしこジャパンが勝利したものの、内容はほぼ圧倒されっぱなしだった。リヨンはフランス代表そのものと言っても過言ではない、まさに世界トップのクラブチームである。

 そのリヨンにひとりの日本人選手がいる。大滝麻未だ。昨年のユニバーシアード大会で8ゴールを挙げ、得点王となったことで一気に注目された。その活躍にいち早く目をつけ、獲得に乗り出したのがリヨンだったのである。大学からリヨンへ入団した大滝が、初めてなでしこジャパン関連の合宿に招集されたのは、入団が決まった後、「なでしこチャレンジメンバー」としてだった。

 その後、ロンドン五輪ではバックアップメンバーとしてなでしこジャパンに約1カ月帯同した。「オリンピックは本当に大きな経験でした」という大滝だが、自らの立場を常に前向きにとらえられていた訳ではない。18名の登録選手たちと同じようにトレーニングを行ないながら、4人のバックアップメンバーは五輪のベンチに入ることはできない。スタジアムでロッカーに入ることすら許されないのである。

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