【なでしこ】リヨンに惜敗も、澤穂希「インパクトのある試合だった」
記念すべき第1回大会で優勝し初代女王に輝いたのはフランスのリヨンだった 今回、日本で初めて開催された「国際女子サッカークラブ選手権2012」。女子版クラブワールドカップを目指すこの大会の決勝は、延長戦の末オリンピック・リヨンが2-1でINAC神戸レオネッサを下し、初代女王としてクラブチーム世界一の栄光をつかんだ。
INACはキャンベラ・ユナイテッドを4-0で、リヨンは日テレ・ベレーザを5-2で下し、決勝へ進んできた。日本では圧倒的な強さを見せるINACが、ヨーロッパチャンピオンにどう挑むのか――。つまり、日本のトップであるINACというチームが世界ではどれくらいのレベルに位置するのか。ナショナルチームの戦い以外で世界と日本の力を推し量る初めての舞台は、強豪ひしめくヨーロッパを制した女王の意地と、常に世界を意識しながらトレーニングを積んできたINAC神戸の意地がぶつかった好ゲームとなった。
前半のリヨンは、挨拶代わりとばかりに右サイドのFWエロディー・トミス(フランス代表)が俊足ドリブルで駆け上がってチャンスをつくる。このトミスのフタ役として左SBに起用されたのはベッキーだった。繰り返される全力でのアップダウン。さすがに五分五分とまではいかないが、ベッキーはトミスに食らいついて"重し"の役割を果たす。その間にCBの田中明日菜がカバーに入り、パスやシュートコースを遮断した。
「個で敵う相手ではない。こまめなラインコントロールと、人数をかけてチャレンジ&カバーを貫くことを徹底した」(田中)。
通常よりもSBをカバーする距離感を近くすることで個の突破を最小限にとどめることに成功していた。それでもDFをそのスピードでぶっちぎりながらクロスを上げ、好機を演出したトミスは「INACは技術も高くて苦労したけど、シュートも打てたし、日本のみなさんに喜んでもらえるゲームを見せることができた」と満足げに試合を振り返った。
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