【日本シリーズ】「正直、力の差はある。でも...」 DeNA伊勢大夢が初戦で感じたソフトバンクの強さと、逆襲への突破口 (2ページ目)
これ以上の失点は許されない。そんな緊迫した場面で、伊勢は150キロ前後のストレートと独特の軌道を描くチェンジアップを外角に集め、正木を中飛に打ち取った。追加点を与えずにピンチを切り抜け、DeNAの反撃への望みをつないだ。
突如として訪れた、失点の許されない局面。2年ぶりとなる日本シリーズのマウンドを、伊勢はどう感じていたのだろうか。
「あまり緊張感もなくて、初球の真っすぐをぬるっと投げてしまって、中に入らずボールになってよかったなって(笑)。そこから自分で気持ちを入れ替えて、またリードしてくれたトバさん(戸柱恭孝)の意思も伝わってきて、いい感じで集中することができました。まずは日本シリーズで1試合投げられて個人的によかったと思いましたし、結果的にここで食い止めたことで、(その後の牧のソロ本塁打で)延長まで持っていくことができましたからね」
【封印していた球種が復活の切り札に】
伊勢は、2022年には71試合に登板して防御率1.72を記録するなど、長年にわたりブルペンを支えてきた。だが今季は、52試合に登板して2勝4敗、25ホールド、防御率3.02と決して順風満帆ではなかった。
開幕からシーズン中盤にかけては、安定した投球を続けたかと思えば、突如として崩れることもあった。好投を重ねている時期に話を聞いても、「じつは、どうして抑えることができているのかわからないんです」と首をかしげることさえあった。
ところが、シーズン終盤からポストシーズンにかけて、投球内容に明らかな変化が生まれた。結果が出るようになっただけでなく、マウンド上での安定感が増してきたのだ。
大きな転機となったのが、チェンジアップの活用だった。
伊勢の落ちる球といえばフォークのイメージが強い。しかし、現在はフォークをほとんど投げていないという。その理由を、伊勢はこう説明する。
「フォークの被打率が高くて、結果的に自分のなかで真っすぐを生かしきれない状態になってしまったんです。また、フォークがあると逆に頼りすぎてしまう部分があるので、それをチェンジアップにしたことで、ほかの球種も使えるようになり、ラクになりましたね」
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