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【プロ野球】「打率3割、30本塁打」に騙されるな 元編成担当者が明かす「当たり助っ人」を見抜く3つの条件

  • 木村公一●文 text by Kouichi Kimura

 旅行代理店、出版社勤務を経て、プロ野球の世界に身を投じてきた宮田隆氏(現在はスポーツマネジメント会社取締役)。ロッテ、オリックス、西武に在籍し、およそ20年にわたって外国人選手の獲得やトレード、スカウティングなど、チームの編成に携わってきた。なかでも外国人選手の獲得は、近年でも「実際に日本でプレーしてみなければわからない」と言われるほど、難しい分野だ。しかし宮田氏は、「調査の段階で見極めるポイントはある」と語る。長年の経験から導き出した、その秘訣とは何なのか。

来日2年目の昨季、本塁打と打点の二冠王に輝いた日本ハムのフランミル・レイエス photo by Sankei Visual来日2年目の昨季、本塁打と打点の二冠王に輝いた日本ハムのフランミル・レイエス photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【数字だけでは見抜けない外国人打者】

── かつては代理人に依存する傾向が強く、売り込まれた選手のスタッツリストをもとに候補を絞り、渉外担当者が渡米して視察し、評価がよければ契約するというのが一般的な流れだったと聞きます。

宮田 もう20〜30年前の話ですね(笑)。近年はほとんどのチームが、NPBでプレー経験のある元選手を現地駐在スカウトとして雇うなど、球団が主体的にデータを集めるようになっています。マイナーでも、ほとんどの試合の映像を入手できる時代ですからね。送られてきた映像を見て、「好プレーだけを編集した動画じゃないか」と呆れたのも過去の話です。

 ただ、球団が独自に調査するようになったからといって、"成功確率"が上がったかと言えば、そこは微妙です。ひとつは、日本球団が獲得できる外国人選手のレベルが、以前より下がっていること。それでいて、日本球界のレベルは上がっています。まあ、代理人にふっかけられて、だまされたというケースは減りましたけどね(苦笑)。

 外国人選手獲得の担当者の間では、"4A"という表現があります。メジャーと3Aの間にいる選手。つまり、力量は3A以上だけれど、メジャーに定着できるほどではない。そうした中間層から獲得してこなければならないので、難しい仕事といえますね。

── まず、打者についてうかがいます。調査する際、最も重視していたポイントを教えてください。

宮田 基本は3つです。ひとつ目は高めを打てるか。ふたつ目はインコースをさばけるか。そして3つ目は、外のスライダーを追いかけないか、ですね。メジャーでは、いわゆるバレルスイングという、すくい上げるような軌道のスイングが主流になった時期がありました。最近は変わってきましたが、それでもまだ多い。でも、あの打ち方だと高めの球に対応するのが難しい。だから今、日本に来て高めの球に苦労している外国人選手がすごく多いんです。ですので、そうしたスイングで残した成績は鵜呑みにせず、できれば獲得候補から外します。

 プレーしている地域にも注意が必要です。同じ3Aでも、インターナショナルリーグとパシフィックコーストリーグでは傾向が違う。インターナショナルリーグは東部や中西部、南東部を中心に比較的、投打のバランスが取れた環境でプレーする球団が多い。一方、パシフィックコーストリーグには、標高が高く乾燥した地域の球場もあり、打球が飛びやすい環境が少なくない。そのため、伝統的に「打者有利のリーグ」と言われてきました。

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著者プロフィール

  • 木村公一

    木村公一 (きむらこういち)

    獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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