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【プロ野球】パドレスのトッププロスペクトがなぜ日本へ? 2度の手術を乗り越えたオリックス・エスピノーザの逆転人生 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Daisuke Nakajima

 さらに、こう続けた。

「それでも、自分は本当に恵まれていたと思う。ずっと支えてくれる家族がいた。いい助言をくれる友人たちがいた。そしてパドレスも決して自分を見捨てなかった。アメリカでああいう状況になれば、放出されることもある。それなのに、彼らはずっとそばにいてくれた。

 心理カウンセラーのローサにもすごく助けられた。彼女はドミニカ共和国出身で、当時パドレスの心理カウンセラーを務めていた。本当にたくさんのすばらしい人たちが支えてくれた。みんなのおかげで、自分は絶望に飲み込まれずに済んだ。そして今取り組んでいること、これから行なっていくこと、すべてがあの経験につながっていると理解できるようになった」

【進化を遂げた先に訪れた転機】

 エスピノーザの通算成績を見ると、2017年から2020年の記録がない。最初のトミー・ジョン手術を受けた年から、新型コロナウイルスの感染拡大でマイナーリーグが中止された期間だ。

 2016年8月31日を最後に公式戦から遠ざかっていたエスピノーザは1709日後の2021年5月6日、1Aで復帰。最速97マイル(約156.1キロ)を記録した。

 長いトンネルを抜けると、ついに目指していた場所に到達した。2021年途中にカブスへ移籍すると、翌年、初のメジャー昇格を果たしたのだ。

 メジャーで7試合に登板した2022年のデータを見ると、投球割合の75%がフォーシームで、シンカー(ツーシーム)は2%。現在の投球スタイルとはまるで異なっている。

 モデルチェンジのきっかけは2023年、パドレスに復帰したことだった。

「その頃のアメリカでは、ストレートに"縦の伸び"(Vertical Break)が求められた。でも、自分のフォーシームには縦変化がそれほどなかった。それでスプリングトレーニングのブルペンでツーシームの握りに変えてみると、そのほうが縦方向に伸びが出るとわかった。『この球は動くし、コントロールもできる。フォーシームみたいに使える』と思ってからツーシームを多く使うようになり、フォーシームはあまり投げなくなった」

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