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【プロ野球】「ドガン!」ソフトバンクのブルペンに轟く"爆発音" ついに頭角を現した5年目の育成右腕・大竹風雅の怪物ぶり

  • 安倍昌彦●文 text by Masahiko Abe

キャンプで見つけた金の卵③〜ソフトバンク・大竹風雅

 今や、プロ野球キャンプの現場は「テーマパーク」だ。とりわけ、ソフトバンクの宮崎キャンプは、華やかさとファンの賑わいが飛び抜けている。

 生目の杜運動公園の広い駐車場から多くの出店のテントが並び、それがメイン球場のアイビースタジアムへの動線となっている。第二野球場も、陸上グラウンドも、ブルペンも、間近に選手たちのパフォーマンスを実感できる胸躍る「アトラクション」だ。

 アトラクションもさることながら、地元の美味が立ち並ぶ出店の数々には、目移りがして困ること、困ること。さんざん迷って、この日は冷たい風が吹き抜けるので、「宮崎辛麺」で体内を温めることにする。

 唐辛子とニンニクの効いた甘辛醤油味のスープに、細めの中華麺......。さらに、ラー油をたらしてすすり込むと、むせ返るような強烈な刺激がクセになる。額から吹き出す汗が、冷たい風に心地よい。

 その横では、子ども連れのお母さんが、宮崎名物の肉巻きおにぎりを頬張っている。人の食べているものは、どうしてこんなにおいしそうなのか。まあ、いい。ここはワナにハマってしまおう。だって、年に一度の「テーマパーク」に来たのだから。

プロ5年目を迎えたソフトバンクの大竹風雅 photo by Nikkan sportsプロ5年目を迎えたソフトバンクの大竹風雅 photo by Nikkan sportsこの記事に関連する写真を見る

【ブルペンに鳴り響く爆発音】

 ソフトバンクの宮崎キャンプ。

 キャンプも中盤にさしかかると、ブルペンの投球練習も一軍クラスの投手が次々とマウンドに上がり、調整のピッチが上がっていく。
 
 おもに一軍クラスの投手が陣取る「奥のブルペン」には、おなじみの顔が入れ替わり、立ち替わりやって来る。今季14年目のベテラン・東浜巨からスタートして、松本晴、大津亮介、杉山一樹、尾形崇斗とつづき、右のエース・上沢直之がトリを飾る。

 ホームベースの手前からさらに加速するような「伸び」もさることながら、捕手が構えるミットをまったく動かすことなく突き刺さる上沢の制球力の高さは、まさに「円熟」という表現が当てはまる。

 そう感心していると、次の瞬間、ものすごい捕球音に驚いた。「ズバン」とか「ドスン」とか、そんなもんじゃない。「ドガン!」である。捕球音というより、むしろ"爆発音"。それが、ストレートの時に何球も続くじゃないか。

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著者プロフィール

  • 安倍昌彦

    安倍昌彦 (あべ・まさひこ)

    1955年、宮城県生まれ。早稲田大学高等学院野球部から、早稲田大学でも野球部に所属。雑誌『野球小僧』で「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける活動を始める。著書に『スカウト』(日刊スポーツ出版社)『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)『若者が育つということ 監督と大学野球』(日刊スポーツ出版社)など。

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