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【プロ野球】三者三様の個性が交差した奇跡のブルペン オリックス期待の高卒ルーキー3人の現在地 (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

 昨秋のドラフト会議、上位3位までに指名された36選手のうち、29選手が大学・社会人で占められたが、オリックスだけが、敢然と1位から4位まで高校生を指名(4位・窪田洋祐外野手・札幌日大)。即戦力を重視する球団が多いなか、数年先を見たチームづくりの根幹が垣間見たような気がした。

【ベテラン投手を思わせる藤川敦也の落ち着き】

 まずは藤川敦也。183センチ93キロ。どっしりとしたユニフォーム姿、シルエットはもうすっかり大人だ。

 ゆっくりとモーションに入り、低い重心のまま前へとせり出していく。丸太のように力強い左足をしっかりと踏み込み、全身を連動させて腕を振る。

「エイ、ヤー!」の力強さも威勢のよさもない。なのに、ボールの伸びは生きもののようだ。ルーキーらしくない......。これは立派な褒め言葉だ。

 投じたボールがミットの芯に収まるまで、視線を捕手からいっさい外さない。そのフォームの確かさ。投げたボールを最後まで見届ける落ちつき。まるで5年、10年とプロで生き抜いてきたベテラン投手のような「仕事ぶり」だ。

 延岡学園では、入学当初から大器と嘱望されてきた投手だ。多少どこかに痛みがあろうが、調子に波があろうが、「絶対的エース」としての地位が約束されていた逸材である。

 きっと、慌てることも焦ることもなく、後ろから迫る者の足音にも気を取られず、ゆっくりと、じっくりと自分を磨き上げてきたのだろう。そんな足跡が想像できてしまうような投げっぷりだ。

 右も左もまったく気にせず、ひたすら丁寧に、丹念に投げ進めていく。

【スター性が漂う森陽樹の立ち姿】

 次に森陽樹。190センチ90キロ。藤川よりもずっと長身、そして、スリムなシルエットのユニフォーム姿。立ち姿だけで、スター性がプンプン漂う。

 中学3年までは宮崎県延岡市で育ち、聖心ウルスラ聡明中時代には、軟式で最速143キロを投げる右腕として注目を集めた。星の数ほどあった誘いのなかから、大阪桐蔭への進学を決めた。

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