第一印象は「うわっ、細いな」 花巻東の1年生4番・大谷翔平と対戦した147キロ右腕が明かす怪物の片鱗 (3ページ目)
「2年の秋から3年の春あたりになるとスカウトの方たちを意識するようになったというか。『プロ野球選手になりたい』って夢が目標になっていった感じでした」
たどり着くべき場所に到達するうえで、風張が果たさなければならない結果こそ甲子園であり、打倒私立だった。
【1年生4番・大谷翔平との初対戦】
その試金石が訪れたのが、春季岩手大会の準々決勝である。相手は花巻東。前年にエース・菊池雄星を擁してセンバツ準優勝、夏の甲子園でもベスト4に進出した強豪であり、風張が唯一、スカウトされなかった私立でもあった。「このチームに自分の力がどこまで通用するのか?」と腕が鳴っていた。
じつはこの時、風張のコンディションは万全ではなかったという。
大黒柱として実戦で投げ続けてきたことで、右ひじに炎症を起こしていたのである。とはいえ、まったく投げられないわけではなく、球速も140キロは出せる。「コースにしっかり投げきれば抑えられる」と、いつもどおりの精神でマウンドへ上がった。
1回。一死三塁で初めて対峙した背番号「18」の1年生4番バッターは、大きかった。だが、それよりも細さが際立っていた。これが、風張の大谷に対する偽りのない第一印象である。
「『うわっ! 細いなぁ』と。でも、入った時から話題でしたし、花巻東で1年生から4番を打つくらいの選手でしたからね。チームでもオーラというか威圧感みたいなものは、ひとつ抜けていました」
第1ラウンドは1球で決着がついた。初球。キャッチャーが構えた外角より真ん中に入ったストレートを捉えられると、鋭い打球は一、二塁間を瞬く間に抜きライトへ到達した。
風張が脱帽したのは2打席目だ。カウント2ボール1ストライクからの4球目、外角のストレートを巧みにすくわれ、右中間を破るツーベースを許してしまう。
「メジャーの試合でよく見るような、あのバッティングですよ。『話題って言っても1年生だし、インコースとアウトコースを見せながらうまく打ち取れれば』と思っていたんですけど、まあ、見事に打たれましたよね。『やっぱすげぇな。中学の時、試合やらなくてよかった』って、ハハハハ」
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