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【プロ野球】ベイスターズ5年目の超逸材が迷いを越えて覚醒の予感 恩師が信じ続けた才能と原点回帰 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 梶原のパフォーマンスをひと言で言えば「乱高下」。同じような空振り三振を繰り返したと思ったら、突然、特大ホームランをかっ飛ばしてみせる。誰が見ても、並外れたポテンシャルを秘めているのは間違いない。だが、「プロで成功する」と言い切るには勇気がいる。そんなスカウト泣かせの素材だった。

 結局、大学では日本代表候補には選ばれるものの、「候補」止まり。2021年のドラフト会議でDeNAから指名を受けたが、6位という順位に梶原の評価が凝縮されていた。

【才能を削らないという選択】

 未完のロマン砲。そんなイメージを抱いていたからこそ、2024年に規定打席未満ながら打率.292をマークした時は驚いた。梶原自身、「僕もビックリしました」と笑顔で振り返る。

 当時、梶原を指導した石井琢朗コーチ(現・巨人二軍監督)とYouTube番組で同席した際、開花するまでの内幕を聞いたことがある。石井コーチはこう語っていた。

「あいつはポテンシャルが高くて、当たれば飛ぶんです。でも、当たらない(笑)。スイングが少しアッパー気味で、鈴木尚典コーチと『あの軌道を変えないとね』と話していました。ただ、あのポテンシャルを失いたくなかったので、あまり手はつけませんでした。あの天性の飛ばす力を失ってまで、小さくチョコチョコとまとまってほしくなかったので」

「2年前の交流戦の終わりくらいに『ちょっと変えてみようか』と伝えました。梶原の強みって、長打力もそうだけど、やっぱり足なんです。塁に出るためには、まずバットに当てなければいけない。それからはずっとペッパー(近距離から投げられた球を打者がバットの芯に当て、投げ手に返す練習ドリル)をやっていました。あいつも気に入ってくれたみたいで、取り組んでくれましたね」(『SYNCHRONOUS』/激白・石井琢朗「バッティングは打率じゃない」の真意より)

 この指導が梶原にはまった。梶原も「ペッパーはバッティングの一番基礎的な部分ですし、効果は大きかったと思います」と証言する。

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