【プロ野球】名手・宮本慎也が選ぶ「現役No.1ショート」 現役時代は「絶対飛んでくるなよ」と思っていた (3ページ目)
大木 自信のある守備で、たとえばツーアウト満塁で守っている時に「俺のとこ来たら大丈夫だよ」っていうのはありますよね?
宮本 そういう自信をつける練習はしましたけど、「絶対飛んでくるなよ」と思っていました。そう思っていたら本当に飛んでこないんです(笑)。
大木 本当ですか? ショートって飛んできそうですけど。
宮本 坂本勇人が自主トレに来た時に、「どう守ってるんですか?」って聞かれて、「絶対飛んでくるなと思ってる」って。「飛んでこい、なんて思ってるからエラーするんだよ」って。準備して、最後に「絶対飛んでくるなよ」って思っていたらフライになったりします。
大木 念じると飛んでこないんですか?
宮本 本当です。プリンスホテルの社会人時代、こういう教えがあったんです。「お前に試合中スキがあるから飛んでくるんだ」って教えられました。だからその時から、途中から試合に出て行った時は「絶対飛んでくるなよ」って思ったら飛んでこなかったです。
大木 「飛んでこい」って思っている人もいるんですか?
宮本 いると思います。それがよくわからないです(笑)。
大木 そういう人は「俺がビシッと決めたい」みたいな気持ちもあるんですかね。
宮本 そうじゃないですかね。ツーアウト3塁、1-0で広島市民球場の時は絶対飛んでくるなと思ってドキドキしていました。
大木 名手でもそう思うんですね。
【Profile】
宮本慎也(みやもと・しんや)/1970年11月5日、大阪府出身。1992年にドラフト2位でヤクルトスワローズに入団。2004年のアテネオリンピック、2008年の北京オリンピックではキャプテンを務め、2012年に2000本安打を達成。2013年に現役を引退。現在は野球解説者として活動している。
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