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【プロ野球】清水隆行が巨人入団後に感じた不安「何年でやめることになるのかな」 (2ページ目)

【衝撃を受けた左バッター】

吉田 同じ左打者として、一目置いていた選手はいましたか?

清水 やっぱり松井さんですね。一番衝撃を受けました。彼のフリーバッティングはすごかったです。当時はまだホームラン20本くらいでしたけど、「20本打つ選手って、こういうバッティングするんだな」って。打球が全然違うんですよ。最初は「これで20本?」と思っていましたけど、シーズン入ったら40本近く打ちましたよね。38本だったかな。そこから毎年40本前後、最終的に50本も打ちました。

吉田 松井さんの何が特化していると思いますか?

清水 あれだけの体で、あれだけのインパクトの強さで飛距離も出せる。それだけじゃなくて、静かなんですよね。

吉田 「当てにいかない」みたいなことですか?

清水 そう、ずっと待ってるんです。フリーバッティングでも、遠くへ飛ばすという感じじゃなくて、来るボールをしっかり見ている感じ。顔はボールを見ていて、打球は同じところに着弾する。静かに構えて静かに待って、試合でも「打ちたい打ちたい」じゃなく、見逃す時も静か。動きのなかで、打てるボールが来たときにだけいく。

吉田 それって、やっぱり大事なんですか?

清水 メンタルも含めて、それができるっていうのは、すごいことだと思います。

吉田 清水さんは、そういうタイプではなかった?

清水 僕は「受けてしまうとダメ」だったんです。打ちにいきながら見逃すタイプ。松井さんは自分のゾーンを決めて、ずっと粘り強く待てる。そこが違いましたね。

吉田 他に松井さんのようなタイプの選手は?

清水 落合さんですね。飛びついて打たない。広島の前田智徳さんもそう。同じ形で打ちますよね。金本知憲さんも、じっとして待ってる感じがありました。

吉田 清水さんのように「いきながら待つ」タイプは、ボールをどこで追いかけていましたか?

清水 これは僕の感覚ですけど、肩からのライン。このラインをずらさないイメージですかね。開かないようにするために、どうするかを考えていました。

吉田 選手によって意識する場所も違うんですね。

清水 極力開かないようにするけど、意識を置くポイントは人それぞれだと思います。

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