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西武・西川愛也の覚醒の陰に今井達也からのアドバイス 「勇気のいることをしないと変われないよ」 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

 長らくやっていたルーティンを変えるのは、西川にとって大きな決断だったはずだ。

「すごく勇気のいることでしたが、ヒットがなかなか出ない状況だったので、自分の感覚にはまったくなかったことを取り入れて、変わったほうがいいのかな、という考えでした。自分の感覚だけでは乗り越えられない壁があったので、周りの人の助言に耳を傾けて、何とか乗り越えたいという気持ちでしたね」

 昨年の西武は交流戦前の5月26日に松井稼頭央監督が事実上の更迭となり、渡辺久信GMが兼任で監督代行に就任。以降、西川はずっとスタメンで起用されたが、打率は1割台から2割前半に沈んでいた。

【今井達也からのアドバイス】

 そんな折に背中を大きく押されたのは、昨年7月、チームメイトの今井達也と食事に出かけた際の言葉だった。

「今井さんも入団当初は伸び悩んでいで、『自分とはまったく違う感覚を取り入れて、人生が変わった』みたいなことを言っていて。『それくらい勇気のいることをしないと変われないよ』と。当時、僕も打率が2割前半で『愛也も今、そういうのも大事なんじゃない?』みたいに言われて。それが大きかったと思いますね」

 投手と野手でチームでの動き方は異なるが、今井は普段からよく野球の話をする間柄だ。1歳上の先輩にあらためてアドバイスをもらい、内容的にも響いた。

 伸び悩んでいた今井が変わるうえで、大きなきっかけとなったのは鴻江寿治トレーナーに身体の使い方を学んだことだった。西川も一度会い、指導してもらったことがある。

「変わったというより、それから一貫してできるようになってきました。僕はインパクトで腕を伸ばして力んでしまうことが多いんですよ。で、引っかけてセカンドゴロ、ファーストゴロが多かった。そこを何とか脱力するように取り組んでいます。難しいですけど、そうしないといい結果は生まれにくいので。力を抜けば抜くほど、いい結果が出るという考えでいます」

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