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独立リーグを人材の宝庫に変えた男、茨城アストロプラネッツ前GM・色川冬馬の次なる挑戦の舞台はMLB球団 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

 組織論とは、球団の運営がどう成り立っているのかということだ。わかりやすく言えば、球団社長をトップとする事業部が収益を上げてくれるから、チームの運営費は生まれている。

 グラウンドで戦うチームは、いわばコンテンツだ。いかに魅力を創出できるかが、スポンサーの獲得、チケットやグッズ収入につながる。ビジネスオペレーションとベースボールオペレーションの両輪がうまく回ることで、球団は運営をうまく行なっていけるわけだ。

 選手たちはそう理解することがチームへのロイヤルティにつながり、自らの価値を高めるためにも一層努力しなければいけないという意識につながっていく。それがアストロプラネッツ流の組織論だ。

【成功するためのロードマップを作成】

 次に行なうのが、個人の夢や目標を達成するためのマインドセットを植えつけることだ。

 日本全国の独立リーガーがNPB入りを目指しているなかで、投手たちはより明確な目標を立てやすい。「球速150キロ」を計測すれば、NPB入りに近づくことができる。色川氏が続ける。

「150キロを出したいなら、フィジカルワークをしなければいけない。除脂肪体重はこれくらい必要で、メディシンボールスローの数値はこれくらいほしいという数値が、今はすべて出ています。だからアストロプラネッツでは全員にクリアさせようと、フィジカルに振りきった球団づくりをしました」

 150キロを出せればスカウトの目に留まりやすいが、それだけでは勝てる投手になれない。一定以上の制球力と、ストライクや空振りをとれる変化球も必要になる。

 では、各変化球はどれくらいの球速帯にすれば、より効果を発揮するか。そうしたデータもすべて統計的に出ており、ラプソードやハイスピードカメラを使用しながら改良していく。

 色川氏が説明する。

「カットボールが得意な選手もいれば、落ちる球を武器にする選手もいます。それぞれの特色を見ながらマインドセットをバチっと決めて、成功するためのロードマップをつくり、キャリア教育をしていきます」

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