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ヒロド歩美は阪神の藤川球児新監督に期待「もう一回、アレを見たい」 注目投手は育成出身の背番号24 (2ページ目)

  • 堤 美佳子●構成 text by Tsutsumi Mikako
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【プロ入りした選手たちの顔つきの変化が楽しみ】

 高校生だった彼らがプロに入り、新人として戸惑いながらも、経験を積んで先輩になっていく。その過程を見守ることができるのは、とても幸せなことだとあらためて思います。

 プロになったあとに取材で再会して、「調子どうですか?」と聞く前に、「お久しぶりです」という話から始められるのはこのうえなくうれしいことですね。選手たちも当時のことをよく覚えてくれていて、いつも感謝しています。

 とくに楽しみなのが、高卒でプロ入りした選手たちの"表情の変化"。プロに入ったばかりの頃は、環境に慣れていないせいか初々しい。それが、時が経ち、後輩が入ってくると、今度は頼もしい先輩の顔つきになっていく。この変化を見ることができるのは、とても貴重なことだと思っています。

 とくに宮城投手は、興南高1年の頃から取材を続けてきたので、その変化を強く感じました。経験によって人ってこんなに顔つきが変わるんだな、とあらためて驚きました。2023年のWBCで最年少ながら堂々とした姿を見せていた髙橋宏斗投手(中日)も、ふとした瞬間に見せる表情にはまだ初々しさがあり、そのギャップが印象的でした。

 佐々木朗希投手(ドジャース)がメジャーリーグに挑戦したことで、同世代の奥川投手や宮城投手も刺激を受けたと思います。同様に、WBCで活躍した髙橋投手の姿を見て、中京大中京高時代の同級生である中山礼都選手(巨人)も刺激を受けたはずです。

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 高校時代は注目されていなかった選手がプロで大きく開花するケースもよくありますし、ひとつの世代を継続的に取材することで、さまざまな刺激の連鎖や変化を見ることができるのは、とても興味深いです。

 高校や大学、プロ野球、そしてメジャーリーグ。さまざまな舞台で活躍する選手たちの姿を追いかけていると、この選手ってあの時の甲子園に出ていたあの子だよね、と、まるで壮大なパズルを組み立てているような感覚になるんです。

 私が『熱闘甲子園』のキャスターになった2016年、夏の甲子園優勝投手は今井達也投手(作新学院/現・西武)でした。あの時の選手がメジャー挑戦の可能性もあると思うと、本当に感慨深いです。先日、西武が本拠地初勝利を飾った時の今井投手の熱投とお立ち台での姿には、感動しました。

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