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【プロ野球】中日・ブライト健太が「4月15日は特別な一日」と語る理由と「背番号42にこめた思い」 (3ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton

 しかも中日のユニフォームは、青地の「Dragons」のロゴ、赤色の背番号と、ドジャースのユニフォームによく似ている。練習中にそのユニフォームを着たブライトを見たある人が、「ロビンソンのようだ」と言ったこともあったという。その話を聞いたブライトは、笑顔を見せた。

「光栄です。そう言ってもらえるのは、本当にうれしいです。ちょっと縁を感じますね」

【気合いを入れて特別な一日に臨む】

 さらに、深い縁を感じさせるこんなエピソードがある。じつは、ロビンソンが最後にドジャースのユニフォームを着たのは日本だった。

 1956年のシーズン終了後、ドジャースは来日し、19試合の親善ツアーを行なった。その最終戦は11月13日に北九州の平和台球場だった。1対1の同点の9回表、ロビンソンは大映スターズ(現・ロッテ)の三浦方義(まさよし)から勝ち越しのヒットを放った。その試合を最後にアメリカに帰国したロビンソンは、現役引退を発表したのだ。この話を聞いたブライトは、またしても目を輝かせた。

「本当ですか? まったく知りませんでした。まさか最後にユニフォームを着たのが日本だったなんて......うれしいのはもちろんですが、すごく身近に感じますね」

 プロ野球選手になった今も、映画を見返すことはあるのか尋ねると、意外な答えが返ってきた。

「10回以上は見ています。特に結果が出ない時とか、苦しい時に見ますね。プロに入ってからもよく見ています(笑)。いま自分が置かれている状況と、当時のジャッキーさんを比べたら、全然苦しくないと思いますし、これくらいのことでネガティブになってはいけないなと。ほんとに励まされています」

 プロ4年目となる今シーズン。4月15日という特別な一日を迎えるにあたり、ブライトに心境を聞いた。

「ジャッキーさんのことを知らない人も多いと思いますが、僕にとっては憧れであり、尊敬する存在です。彼の映画を見たことで、自分のなかで頑張れている部分はあります。本当に特別な日ですので、気合いを入れて試合に臨みます。ただ、これまで4月15日は気合いが入りすぎて、あまり成績はよくないんです。なので、今年はちょっと冷静にいきたいです(笑)」

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