【プロ野球】中日・ブライト健太が「4月15日は特別な一日」と語る理由と「背番号42にこめた思い」 (2ページ目)
映画『42〜世界を変えた男〜』は、2013年にアメリカで制作された作品で、ハリソン・フォードがロビンソンを支えたGM役を演じ、ジャッキー・ロビンソン役には、のちに『ブラックパンサー』で有名になるチャドウィック・ボーズマンが務めた。アメリカでは大ヒットとなったが、日本に住むひとりの少年の人生に大きな影響を与えるとは想像もしていなかったはずだ。
【大学で背番号42を着けなかった理由】
ただ、その映画より先に、ブライトが野球に関心を持つようになったのは、父の影響だった。ブライトはこう話す。
「小さい頃から父とよくキャッチボールしていました。本当に楽しくて、大切な時間でした。家の近くの公園で、柔らかいボールと軽いバットを使ってよく遊んでいました。よく父がボールを投げてくれて、それを打っていました。一緒にバッティングセンターにも行きました。父は野球をやったことがなかったのですが、バッティングは意外と力強かったです(笑)」
ブライトは東京都足立区の少年野球チームに入り本格的に野球を始めたが、父とロビンソンの映画を見て、新たな感動を受けたという。
「ジャッキーさんの姿勢がとても印象的でした。ヤジに対して、感情的になるのではなく結果で見返すという強さ。自己管理や自律という部分でも尊敬できる方で、ジャッキーさんの姿を見て、僕も頑張ろうと勇気をもらいました」
都立葛飾野高から上武大に進学後も野球を続けたが、当時は背番号42を着けることはなかった。その理由について、ブライトはこう語る。
「大学で42番を着けるのは、自分のなかでなんか違うな......と思ったんです。着けるなら、やっぱり最高峰の舞台である『プロで!』と思っていました。それがジャッキーさんに対する最大の敬意だと思っていましたし、僕のモチベーションにもなっていました」
その夢が叶ったのは、2021年10月11日のドラフト会議だった。ブライトは中日から単独1位指名を受けたのだ。憧れの背番号42は空き番になっていたため、迷わず選んだ。
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