【プロ野球】五十嵐亮太が分析する2025年のホークス 「甲斐の穴を埋めるのは?」「上沢の期待度は?」「理想のオーダーは?」
昨年のペナントレースを圧倒的な強さで制しながらも、日本シリーズでは苦杯をなめた福岡ソフトバンクホークス。小久保裕紀監督の2年目となる今シーズンは、正捕手・甲斐拓也の移籍という大きな変化を迎え、チームの編成にも注目が集まっている。はたして、この穴を埋めるのは誰なのか? そして、充実の投手陣と強力打線を擁するホークスが、再び頂点を目指すために必要なカギとは? チームの現状と展望について、解説者の五十嵐亮太氏に話を聞いた。
【甲斐拓也の穴は誰が埋める?】
── 昨年のペナントレースでは圧倒的な強さを見せたものの、日本シリーズでは屈辱を味わった福岡ソフトバンクホークスについて伺います。小久保裕紀監督の2年目となる今シーズンの大きなトピックとしては正捕手・甲斐拓也捕手の読売ジャイアンツ移籍が挙げられます。この穴は誰が埋めると思いますか?
五十嵐 去年の成績で言うと、侍ジャパンメンバーでもある海野隆司の名前が真っ先に挙がります。本人としても「ここでレギュラーを取らなければ」という意識も強いはず。このチャンスをつかめるか、つかめないかというのは、これまで自分がやってきたことの答えでもあると思うんです。東海大からプロ入りして6年目、そろそろ結果がほしい時期ですよね。ただ、いくら強い気持ちがあったとしても、もちろん他のキャッチャーも同じ気持ちだから、いい意味での競争が、今年のホークス捕手陣には生まれるでしょうね。
── 昨シーズン、海野選手は51試合に出場しています。彼が侍ジャパンで不在の間、オープン戦では昨年ファームで57試合に出場した渡邉陸選手、昨年は一軍で4試合出場の谷川原健太選手が主にマスクをかぶっています。
五十嵐 海野の他にも有望な選手はいるけど、やっぱりキャッチャーは経験が大事なので、そう考えると海野が一歩リードしていますね。実際に代表にも選ばれていますから。ただ、海野一人に託すのか、それとも複数で併用していくのかはまだわかりません。小久保監督がどう感じているのか、何を考えているのか? やっぱりキャッチャーって「チームを勝たせる」という大きな役割があるし、自分のリードでピッチャーを引っ張っていかなければいけない。それにプラスしてバッティングがよければ、間違いなくずっと使われます。現状では、どのように起用していくのかはまだわからないですね。
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著者プロフィール
長谷川晶一 (はせがわ・しょういち)
1970年5月13日生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務を経て2003年にノンフィクションライターとなり、主に野球を中心に活動を続ける。05年よりプロ野球12球団すべてのファンクラブに入会し続ける、世界でただひとりの「12球団ファンクラブ評論家(R)」。主な著書に、『詰むや、詰まざるや 森・西武 vs 野村・ヤクルトの2年間 完全版』(双葉文庫)、『基本は、真っ直ぐ──石川雅規42歳の肖像』(ベースボール・マガジン社)、『いつも、気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(集英社)、『中野ブロードウェイ物語』(亜紀書房)、『名将前夜 生涯一監督・野村克也の原点』(KADOKAWA)ほか多数。近刊は『大阪偕星学園キムチ部 素人高校生が漬物で全国制覇した成長の記録』(KADOKAWA)。日本文藝家協会会員。