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【プロ野球】巨人・浅野翔吾が振り返る、涙のエラー後の阿部慎之助監督のハッパ「もう一回、コケてこい!」 (3ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文text by Shiratori Junichi

 11月生まれの浅野は当時19歳だったため炭酸水での祝杯だったが、「高校卒業後にプロ入りして、2年目で経験できたことは本当に光栄なことだと思っています。これからも、たくさんビールかけができるように頑張っていきたいです」と、今後に向けた思いを語った。

「昨年の開幕前には、あそこまで多くの試合に出場させてもらえるとは思っていませんでした。2試合で6三振を喫したことも、僕のエラーで負けてしまった試合もありましたけど、阿部監督が我慢して起用してくださったことに感謝しています。去年の経験を生かしながら、今季も監督を胴上げできるように頑張りたいです」

【外野手のライバルたちと「一緒に活躍して優勝を目指す」】

 チームには切磋琢磨できる若手が多く、「僕がファームで過ごしている時に、活躍する姿を見て気持ちがたかぶりました」と話す門脇誠や中山礼都、捲土重来を期す秋広優人、新人の浦田俊輔や荒巻悠などと競い合いながらも、チーム力アップを目指す。

「誰かの不振を願うのではなく、僕もライバルの選手たちも一緒に活躍して、優勝を目指せる関係が理想だと思っています。チームとしてはリーグ連覇と日本一、個人としてはフルシーズンを一軍で過ごすこと、打点70を目標に頑張りたいです」

 オープン戦ではやや苦しむ場面も見せたが、3年目のシーズン開幕に向けて調整を続けている。

「バッティングも守備もまだまだですが、これからひとつずつレベルアップしていきたいです。やるべきことに取り組めば、自ずと結果もついてくるはず。昨年はミスも多く、首脳陣の信頼を得らなかったと思いますが、今年はしっかり結果と残したいです。気持ちが溢れるプレーで、皆さんの期待に応えたいですね」

 巨人に高校からドラフト1位で入団した野手の3年目のシーズンを振り返ると、松井秀喜は22本塁打、坂本勇人は打率3割を記録し、いずれもベストナインを記録している。そのふたりのように、近い将来に巨人の主軸としての活躍が期待される浅野は、どのような成長曲線を描くのか。さらなる高みを目指す3年目が幕を開けようとしている。

(井上温大:巨人の新エース候補 内海哲也の助言による飛躍と、日本一への決意インタビュー>>)

【プロフィール】

浅野翔吾(あさの・しょうご)

2004年11月24日、徳島県生まれ香川県出身。身長171cm、外野手。右投右打。中学3年時に全日本少年軟式野球大会に出場してベスト8に進出。U-15アジア野球選手権大会の日本代表に選出された。香川県県立高松商業高校に進学すると、2、3年時に夏の甲子園に出場し、3年時には打率.700、3本塁などの活躍でベスト8進出に貢献。WBSC U-18ワールドカップにも日本代表として出場した。高校通算68号本塁打を記録し、2022年のドラフト1位で巨人に入団。昨年までの2年で64試合に出場し、今季はさらなる飛躍を目指す。

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