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【プロ野球】巨人・浅野翔吾が振り返る、涙のエラー後の阿部慎之助監督のハッパ「もう一回、コケてこい!」 (2ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文text by Shiratori Junichi

【痛恨のエラーでの涙を乗り越え、初のビールかけを経験】

 さらなる飛躍を目指す浅野の姿を人一倍気にかけているのは、やはり高校からドラフト1位で入団し、今年でプロ19年目を迎える坂本勇人だったという。

「勇人さんは、いろいろと気にかけてくださいます。例えば、先日も練習中に『声が出てないぞ!』と声をかけてくださいました。一軍で過ごした時期が短い僕が野球に打ち込みやすいように配慮していただいていて、感謝しています」

 昨オフの納会では、阿部慎之助監督らと一緒に浅野が人生初のゴルフに挑戦する姿も見られたが、春季キャンプが始まってからはゴルフクラブを握っていないそうだ。

「毎日疲れて、動けなくなるくらい練習しているので、オフの日は足のふくらはぎをマッサージしたり、YouTubeや映画、アニメなどを見たり、高校時代の友人とたわいない電話をしながら、部屋でゆっくり休むようにしています。昨年もシーズン中に友達が応援に来てくれてうれしかったので、今年も忙しいなかでも球場に駆けつけてくれるみんなの前で活躍を見せられたらなと思っています」

インタビューに答えた浅野 photo by Shiratori Junichiインタビューに答えた浅野 photo by Shiratori Junichiこの記事に関連する写真を見る

 昨年は、開幕して間もない4月にいったんは一軍に昇格するも、9打数無安打と苦しんだ。浅野は「阿部監督が「『もし打たなかったらバイバイだな』と冗談交じりに話してくださり、気持ちが楽になった」と振り返るも、ファームで再調整をすることになった。そこで安定した成績を残せるようになり、8月12日に一軍に再昇格すると、同14日の阪神戦では満塁本塁打を放った。

 浅野のハツラツとしたプレーはチームに勢いをもたらしたが、9月21日の広島戦(マツダ)では、浅野のエラーで逆転負けを喫して涙に暮れる場面も見られた。

「確かにネガティブな気持ちになることもありますが、すぐに次の試合がやってくるのでいつまでも落ち込んでいるわけにはいきません。うまく気持ちを切り替え、モチベーションを保つことを心がけていました」

 優勝が間近に迫った9月27日の中日戦(東京ドーム)では、阿部監督に「『ビビらずやれ!もう一回、コケてこい!』と背中を押されて7番右翼手として先発出場。押し出しの四球を選んだ場面ではガッツポーズを見せた。マジックを1に減らしたチームは、翌日の対広島戦(マツダ)で4年ぶりのリーグ優勝を成し遂げ、浅野は人生初のビールかけに参加した。

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