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篠塚和典が選ぶ「ON抜き・V9以降」の巨人歴代ベストナイン(後編)ドリームチームを率いる指揮官は? (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――そんなドリームチームを率いる監督を選ぶとすれば?

篠塚 僕がひとりを選ぶなら長嶋さんです。もちろん川上哲治さんや原辰徳も歴史に名を残す名将であり、王貞治さんや藤田元司さんも偉大な方ですが、長嶋さんに対しては選手たちが"憧れ"を抱いていました。

 僕の場合は、長嶋さんがドラフト1位で指名していただいた縁もありますし、戦ううえで「長嶋さんのために」という思いが選手たちの心の中には少なからずあって、その思いがチームの結束力を強くしていたんです。

 作戦うんぬんをいえば、突拍子もないことをやったりしますけど(笑)、長嶋さんという存在が"選手たちを動かす"と言えばいいんでしょうか。全員が同じ方向を向いて戦っていた印象が強いです。

――チームがひとつになる?

篠塚 そうなんです。ファンの間でもおなじみになった「勝つ!勝つ!勝つ!」っていう言葉に乗せられて、本当に勝ってしまうんですよ。確か「10.8決戦(※)」の時に初めて長嶋さんがそう言ったのかな。それ以降は春季キャンプに訪問した時などに言っていますよね。

(※)1994年、巨人と中日のレギュラーシーズン最終戦時の勝率が同率首位で並び、10月8日の試合に勝利したチームがリーグ優勝という大一番。

――これだけのメンバーでも、長嶋さんであれば自然にまとまる?

篠塚 そうですね。長嶋監督のもと、一度でいいからこんなメンバーで戦ってみたいですね!(笑)

【プロフィール】

■篠塚和典(しのづか・かずのり)

1957年7月16日生まれ、東京都出身、千葉県銚子市育ち。1975年のドラフト1位で巨人に入団し、3番などさまざまな打順で活躍。1984年、87年に首位打者を獲得するなど、主力選手としてチームの6度のリーグ優勝、3度の日本一に貢献した。1994年を最後に現役を引退して以降は、巨人で1995年~2003年、2006年~2010年と一軍打撃コーチ、一軍守備・走塁コーチ、総合コーチを歴任。2009年WBCでは打撃コーチとして、日本代表の2連覇に貢献した。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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