検索

【プロ野球】ソフトバンク和田毅が引退に際し危惧する昨今のプロ野球界 「100%データに頼るのは少し違うかなと...」 (3ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro

── これからはネット裏からプロ野球を見ることになります。どんな心境ですか?

和田 新鮮な気持ちです。すべてが初めての経験。成長していくための勉強だと思って頑張ります。

── 22年間もプレーすると、その間に野球自体も大きく変わったのでは?

和田 一番はデータですね。その量が増えましたし、投球にしても打撃にしてもデータを収集しながら練習をするのは、僕の若かった頃はありませんでした。自分が今、どんな状態なのか把握できる点はすごくいいと思います。その反面、データだけに100%頼って鵜呑みにするのは少し違うのかなとも思います。やっぱりその選手がもっている感覚と擦り合わせる必要はあるでしょう。今の野球界、情報量は膨大です。それをどう活用するかが、この先は大事になっていくと思います。

── 和田さんは2011年には鹿屋体育大学を訪れて、周りよりも早く動作解析など科学的アプローチを行ないつつ、引退する最後の最後まで「走る」ことを大切にされていました。

和田 打者ならば160m飛ばすとか、投手は160キロを出すために野球をやるわけじゃない。あくまでも点を取る、ピッチャーならばバッターを抑えるのが目的です。科学を活用すること自体を僕は否定しているのではなく、プロ野球の先輩たちが築き上げてきたものも活用していかないといけない部分はたくさんあると思うんです。

 小久保監督もよく言いますが、古きよきものと古臭いものをしっかり選別すること。ホークスならば王会長が築き上げた大切なものをしっかり残していきながら、そこにデータやテクノロジーを用いた野球を組み合わせて、新しく強いホークスをつくり上げていくのだと思います。

── 最後に、和田さんはなぜ、松坂世代の最後のひとりとなるまで22年間も現役生活を続けられたと思いますか?

和田 今までの出会いですかね。たくさんの方に出会ったことが今の自分を作り上げたと思っています。いい方々に出会えたから22年も続けることができました。感謝しかありません。

3 / 4

キーワード

このページのトップに戻る