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【プロ野球】ソフトバンク和田毅が引退に際し危惧する昨今のプロ野球界 「100%データに頼るのは少し違うかなと...」 (2ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro

── チーム内競争は激しいですね。

和田 ホークスは毎年そうです。そのスタイルは昔から変わりません。実績や経験が考慮されるのはスタート時点、いわゆるキャンプの序盤まで。プロ野球なので完全に横一線はありません。はじめは評価の差も多少あります。けれども、実戦が始まれば結果の世界。それを勝ち抜いたピッチャーがチームを代表してマウンドに上がるのです。忖度なども一切ありません。それは野手も同じことが言えますし、ホークスのよき伝統になっていると思います。

── ホークスは他球団からの移籍選手が活躍しています。そのようなチーム環境も理由のひとつでしょうか?

和田 そこはわかりませんが、少なくとも移籍に際してはそれ相応の覚悟を持ってやって来ますし、ホークスの競争の厳しさも承知のうえのはずです。僕自身もFAでアメリカに行った経験があるので、新しい環境に飛び込む時の気持ちはわかります。やはり、もっと成長したい、自分を高めたい。環境を変えることで新しい自分が見つかるかもしれない。

 石川投手や甲斐拓也選手(FA権行使して巨人へ)もたぶん同じような理由と覚悟をもって移籍をしたのだと思います。一方で、そうやって大きな覚悟を持った選手が入ってくるのはチームのプラスになります。元からいた選手にとっては競争がさらに激しくなりますが、それを勝ち抜かないと試合に出られないわけで、自分自身の成長を促すことになります。

【テクノロジーと古きよきものの融合】

── 甲斐選手の名前も出ましたが、キャッチャー争いも注目です。

和田 今いる選手たちは間違いなくチャンス。でも逆に球団にこのままではダメだと判断されれば、別のチームからいい捕手を獲ってくるかもしれません。それがフロントの仕事です。メジャーではそれが当たり前ですし。実際、(甲斐)拓也が正捕手でいた時はキャッチャーの大きな補強は少なかったじゃないですか。それだけ彼が球団フロントや首脳陣の信頼を得ていたわけです。ある意味チャンスとピンチの表裏一体のところにいる感じじゃないですかね。

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