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「このままじゃまずい...」 宮川哲、長谷川宙輝、柴田大地の3人が目指すそれぞれの下剋上 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

【10個の負けを勝ちゲームに】

 髙津監督が指揮をとった昨年までの5年間、チームは6位、優勝、優勝、5位、5位と極端な成績で、優勝した時は貯金20以上、優勝できなかった年は借金20以上となっている。昨年、髙津監督にこのことについて質問すると「単純なコメントで申し訳ないですけど」と前置きし、次のように答えてくれた。

「10個の勝ち負けでそこの差がついてくるので、10個の負けを勝ちゲームにしたいですね」

 そのためには、先発が崩れたあとに投げるリリーフ投手が重要になるが、あらためてそのことについて髙津監督に語ってもらった。

「今は試合終盤になるといいリリーフがどんどん出てきますが、ウチの打線は得点する力があります。ひっくり返せるだけの点差をキープできる投手陣を持っているかどうか。3人か4人か限られた人数になってきますが、ものすごく大事なポジションだと思っています」

 宮川と長谷川について聞くと、「昨年に比べて戦力アップしたかどうかは、こういう選手たちにかかっていますよね」と言い、こう続けた。

「長谷川にしても宮川にしても、柴田は移籍してしまいましたが、今まで戦力になれなかった選手が活躍することで、チームのプラスアルファになっていく。なんとか一軍に食い込んで戦力になってほしいという気持ちが強いですし、そういう意味で一軍キャンプに呼んだわけです。

 実際に長谷川を見て、『これはいけるんじゃないか』と。ブルペンで見たら一軍で活躍できるボールを投げていますよ。このふたりだけじゃなく、チームにプラスアルファをもたらすのは、去年ゼロだった選手たちでしょうし、10の負け試合を勝ちにするための大事なポジションだと思っています」

 宮川、長谷川、柴田の生き残りをかけたシーズンはスタートしている。3人揃っての下剋上が実現することを期待したい。

著者プロフィール

  • 島村誠也

    島村誠也 (しまむら・せいや)

    1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。

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