検索

和田一浩が語る最強の投手&最強の打者 「高卒1年目であれだけ完成度の高い投手を見たことがない」 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── ダルビッシュ投手も大谷選手も、日本時代と比較してかなりビルドアップしました。パワーから生まれる技術もあるということですね。

和田 昔は投手がウエイトトレーニングで筋肉をつけるなんてとんでもないと言われていましたが、あれだけの体がないと、逆にあのパフォーマンスは出せないと思うんです。すごい投手になろうと考えたら、筋肉をつけて体を大きくするのが絶対条件です。彼らがそれを証明しましたからね。

── ほかに印象に残っている投手はいますか?

和田 スピードなら、当時巨人にいたマーク・クルーンです。僕がセ・リーグに移籍した2008年に162キロをマークしたのですが、とにかく速かったですね。あと、当時の中日は阪神や巨人と優勝を争う展開が多かったのですが、阪神・藤川球児の真っ向勝負の"火の玉ストレート"は対戦していて楽しかったですね。

── 同じく打者でほかに印象に残っているのは?

和田 阿部慎之助(現・巨人監督)は2010年に44本塁打、2012年に打率.340(首位打者)と、長打力がありながらミート力もある強打者でした。ヤクルトのウラディミール・バレンティンは2011年から3年連続本塁打王に輝き、2013年のシーズン60発は強烈でした。

【セ・パの野球の違い】

── 和田さんは両リーグ1000安打をマークしていますが、「セ・パの違い」というと、何でしょうか。

和田 セ・パ交流戦が導入された2005年以降の20年間で、パ・リーグ球団が14回の優勝、同年以降の日本シリーズもパ・リーグ球団が14回の優勝と一時は圧倒的な差がつきましたが、最近はそれほどでもありません。

── その理由はどこにあると思いますか?

和田 パ・リーグの豪打はDH制が一番の要因であり、セ・リーグは投手が打線に入ると得点力が下がる分、細かな戦法が多くなると思います。また先述したようにドラフトの兼ね合いで田中将大ら好投手がパ・リーグに多く揃いましたが、最近はセ・リーグ投手も150キロを超える速くて強い球を投げる投手が増えました。

── 最近の「投高打低」をどう見ますか?

和田 トラックマンなどのデータ機器の導入や、それに伴う最新トレーニングの浸透で投手サイドの進化が先に進みましたので、球のスピードが全体的に速くなりました。ただ、今後は打者サイドの進化が追いついていくでしょう。


和田一浩(わだ・かずひろ)/1972年6月19日、岐阜県出身。県岐阜商から東北福祉大、神戸製鋼を経て、96年のドラフトで西武から4位指名を受け入団。30 歳でレギュラーに定着し、リーグ優勝、日本一に貢献したほか、2004年アテネ五輪、06年第1回 WBC では日本代表として日の丸を背負ってプレーした。08年からはFA 移籍で中日ドラゴンズへ。15年には史上最年長で2000本安打を達成し、名球会入りを果たした。引退後は野球解説者として活動する傍ら、少年野球の指導、講演などで活躍。23年から24年まで中日一軍打撃コーチを務めた

フォトギャラリーを見る

3 / 3

キーワード

このページのトップに戻る