「給料もそんなに高くないのになんで続けるの?」 もうすぐ40歳、元ソフトバンク・藤岡好明がニカラグアで見つけた答え (2ページ目)
ウインターリーグでは5チームが戦い、シーズン終盤の球場には7000人を超える観客が集まることもある。内野席を埋め尽くすファンは打楽器をたたいて応援し、厳しいヤジも飛んでくる。
野球のレベルについては、「二軍と独立リーグの選手を混ぜたみたいな感じ」と藤岡は表現した。
「パワーだけを考えたら、平均してNPBの二軍より力のある選手が多いかな。小さい選手でもホームランが出るので。技術的に言うと、NPBの二軍選手と独立の選手をミックスさせたなかに、いい選手が数人いるというのが近いです」
【試合前にラム酒を一気飲み】
藤岡は2024年12月から1カ月間在籍し、6試合で8イニングに投げて0勝0敗、防御率3.38。ちなみに2024年のくふうハヤテではNPBのウエスタンリーグでプレーし、21試合で0勝2敗3セーブ、防御率1.37だった。異国の環境に適応することを差し引くとしても、ニカラグアリーグのレベルを想像できるだろう。
同リーグは今季からルールが変わり、外国人枠が撤廃された。藤岡のボーエルに在籍したニカラグア人は片手で数えられるほどで、ドミニカ、ベネズエラ、メキシコなどラティーノに囲まれていたという。
「彼らは移動のバスの中でも騒いでいました。音楽もバンバン流す。それでも寝られましたけどね(笑)」
藤岡にとって印象に残っている出来事のひとつが、試合前に選手たちでラム酒のショットを飲んで盛り上がったことだ。負けが続いている時期で、選手間のミーティングが行なわれた際、リーダー格の選手が「みんなで頑張ろう」と景気づけに振る舞った。
「本当に盛り上がりましたね。なかには飲めない人もいて、ラティーノのなかにも飲めない人はちゃんといるんだとわかりました(笑)」
異国の文化やイメージに対し、誰しも固定観念を持っているものだ。飛行機でもアメリカ経由で24時間近くかかるニカラグアに初めて行き、藤岡には気づいたことがたくさんあった。
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