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かつての鈴木誠也を彷彿とさせる練習量とスイングスピード カープ3年目の内田湘大に期待したくなるワケ (3ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun

 試行錯誤を重ねたからこそ、今の形にたどり着いた。内田自身、最短距離で成長できるタイプではないことを理解している。

「自分は練習しなくても打てるタイプじゃない。とにかく練習して、練習して、練習して......。感覚をつかむには、打ち続けるしかない」

 その姿は、かつての鈴木誠也を彷彿とさせる。高卒1年目で一軍デビューした鈴木も、驚くほどの練習量を自主的にこなしていた。成長曲線は鈴木のように順調ではないかもしれない。しかし内田には、それを一変させるだけのスイングスピードとパワーがある。

 二軍で主戦場としていた三塁には、侍ジャパンの常連・小園海斗、そして昨秋ドラフト1位指名の佐々木泰(青学大)と強力なライバルがいる。プロ3年目で初めて名を連ねた春季キャンプでのポジション争い。現時点での序列は決して高くはない。しかし、この1カ月で成長した姿と可能性を示せば、首脳陣の評価は変わるはずだ。

 スター不在の新井広島で、その穴を埋める存在となるか──。内田湘大の春の戦いに注目したい。

著者プロフィール

  • 前原 淳

    前原 淳 (まえはら・じゅん)

    1980年7月20日、福岡県生まれ。東福岡高から九州産業大卒業後、都内の編集プロダクションへて、07年広島県のスポーツ雑誌社に入社。広島東洋カープを中心に取材活動を行い、14年からフリーとなる。15年シーズンから日刊スポーツ・広島担当として広島東洋カープを取材。球団25年ぶり優勝から3連覇、黒田博樹の日米通算200勝や新井貴浩の2000安打を現場で取材した。雑誌社を含め、広島取材歴17年目も、常に新たな視点を心がけて足を使って情報を集める。トップアスリートが魅せる技や一瞬のひらめき、心の機微に迫り、グラウンドのリアルを追い求める

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