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ヤクルト・橋本星哉が驚異の成長曲線で正捕手戦線に殴り込み 「神宮のヘラクレス」になる! (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

【フレッシュオールスターでMVP】

 シーズンが開幕すると5月24日に支配下登録され、背番号は「023」から「93」になった。

「この時はうれしい気持ちよりも、一軍に呼ばれる立場になれたので、ここからだと気持ちが引き締まりました。支配下になって最初の試合はファームだったんですけど、すごく緊張しました。周りの人の目も変わりましたし、いつもと違う雰囲気をすごく感じました」

 7月20日、地元・姫路で開催されたフレッシュオールスターでは、3打数2安打4打点の活躍でMVPを獲得。同25日には一軍の試合前練習に呼ばれ、フリー打撃では髙津臣吾監督の前でバックスクリーンに叩き込み、練習後は「疲れたけど、明日からまた頑張ろう!」と笑顔で戸田に戻っていった。

 橋本は一軍の練習を経験したことで、「二軍に慣れてしまっている自分がいたことに気づきました」と振り返った。

「いま思えば、自分のなかで二軍にいることが当たり前になっていたというか、一軍に行きたいという意欲がそんなになかったのかなと。そういう意味でも、『絶対に一軍でやりたい』『満員の神宮球場のなかで野球をやりたい』という気持ちになれたので、本当にいい時間でした。練習自体はしんどいものではなかったのですが、なぜか肉体的にも精神的にもシーズンで一番疲れました(笑)」

つづく>>

著者プロフィール

  • 島村誠也

    島村誠也 (しまむら・せいや)

    1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。

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