ヤクルト・丸山和郁が青木宣親から授かったアドバイス 苦悩と試行錯誤の先に希望が見えた (2ページ目)
ただその間も、早出練習を欠かすことはなかった。
「朝の早出でもずっと打っていたんですけど、確認するポイントが違っていたのかなと。こういう打球が出ているからOKだという意識でやっていたのですが、たとえば股関節にしっかり体重が乗っているか、打ちにいく時に体がスウェーしていないか、重心がどこにかかっているかなど、そういうポイントを意識してやればよかったですね。結局、土台として完全じゃなかったので、状態が落ちた時に脆かったというか......戻る場所が見つからずに、迷子になってしまいました」
【青木宣親から授かった金言】
この春、丸山は青木宣親から「まずは0から1をつくることが大事だよ」という金言を授かった。1がないと2や3に進めない。そう理解して、土台づくりに励んだ。
「0から始めて8くらいまでつくれたかと思ったのですが、違いましたね。また0に戻りました(笑)。その時の感覚だけでやってしまって、中途半端でした。そこからノリさん(青木)にアドバイスをもらい、また土台づくりを始めることになりました」
二軍降格後は78打数27安打(打率.346)、3本塁打。20試合でノーヒットはわずか1試合と結果を残し、9月25日に再び一軍昇格となった。どうしてもその場所にいたいと語っていた「青木の引退試合」にも間に合った。最終的には96試合(先発起用は66試合)に出場し、打率.241、61安打、出塁率.312、4盗塁を記録。多くの部門でキャリアハイを更新した。
「自分ではキャリアハイという感じはないです。前半、あれだけよかったこともあり、もっと数字を残せると思っていたので。そんなに甘くないと言われたらそうなんですけど、レギュラーも、バッティングも、つかめそうなところまでいったけどつかみきれなかった。プロ入りしてから今年が一番悔しいかもしれないですね」
大松尚逸チーフ打撃コーチは、今年の丸山のバッティングについて次のように話した。
「去年は一軍のピッチャーの速球に対しての対応に苦戦していましたが、今年はかなり改善が見られました。特に前半はタイミングの取り方がよくなって、スウェーすることが減ったことで成長を感じました。ただ一軍で結果が伴ってくると、苦手な球種やコースを徹底的に攻められるのは当然で、中盤以降はその対応に苦しんだということです」
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