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ヤクルト・丸山和郁が青木宣親から授かったアドバイス 苦悩と試行錯誤の先に希望が見えた (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 そして丸山のバッティングに対する姿勢については、「よく言えばしっかり考えているけど、悪く言えば悩みが自分本位すぎですよね」と苦笑いした。

「理想を高くするのはいいことですけど、もう少し柔軟に、(体勢を)崩されても拾って打ったり、詰まらされても押し込んだり、そういう幅を持つことができたらもっと伸びると思います」

【原点ができたかもしれない】

 10月にはフェニックスリーグに参加。個別練習では1時間以上もバットを振り続け、「結局、何も得られませんでした」と自虐的に笑う日もあった。また大松コーチからは、「おまえは何をしに宮崎に行ってるんだ」と電話で諭されたこともあったという。丸山が振り返る。

「何もできない自分に、最後までイライラしていました。でも大松さんから『おまえは自分と戦いすぎだし、練習で考えることは大事だけど、まずは対ピッチャーなんだから』と。ほんとそうだなと思いました。この時期は、考えられなくなるまで振れと言われて、そのなかでバランスがよくなるティーを見つけたんです。そこから感覚がよくなって、ちょっとずつボールが見えてきました」

 11月は2週間の松山キャンプで1日1500スイング以上を振り込んだ。レパートリー豊富な練習メニューをこなしていくなかで、「バッティングが変わりそうな気がします」と、再び手応えをつかんだ。

「変わった時のイメージは(長岡)秀樹です。そんなこと言ったら秀樹には申し訳ないですけど(笑)。左の股関節から右の股関節に重心移動させても突っ込まない。それが何とかなれば、変化球はもう少し打てるようになるのかなと。実際、そこを意識して、ゲーム形式のバッティング練習で真っすぐ、スライダー、チェンジアップのミックスでやったところ、低めの変化球も拾えました。まだ1か2ですけど、徐々にできるようになっているので、もっと継続していきたいです」

 打ち上げ前日の練習後には「原点ができたかもしれない」と力強く話した。きっかけは、最終クールから合流した山崎晃大朗外野守備走塁コーチが「自分はこんな練習していたよ」と見せてくれた、ネットに向かってノックを打つティーだった。

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