【プレミア12】完全アウェーで快勝 森下翔太が語った井端ジャパンの強さ (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

「打点にはすごくこだわってプレーしてきましたし、自分がここ(日本代表)に呼ばれたのはそういうところの役割がしっかりできてこそだと思うので。ヒットが出ない時でもこうやって先制点が取れたことは、次につながるかなと思います」

 ノーヒットでの得点は、「スキのない野球」を掲げる侍ジャパンにとってまさに格好の形だった。

 3回には二死三塁から3番・辰己が左中間にタイムリー二塁打を放ち、1点を加える。「自分のスイングができたと思います」。辰己はオーストラリアとの初戦でも初回にレフトへの犠牲フライを放ったが、またしても逆方向への打撃で得点につなげた。

 2点リードの4回には一死から7番・源田がライトに本塁打。侍ジャパンでの記念すべき1号となった。

「本当にたまたまです。展開的にも(追加点が欲しい)というところで、1本出たのでよかったと思います」

 そう振り返った源田だが、1打席目の反省を生かしての一打だった。

「(1打席目は)真っすぐでどんどん押してきている感じを受けたので、次の打席はそこを仕留めたいな、打ち損じたくないなっていうのはありながら打席に行きました」

 そうして2球目、真ん中に甘く入った142キロのストレートを確実に仕留めたのは見事だったが、じつはその前の初球でも源田らしいアプローチが見られた。セーフティーバントを仕掛けようとしたのだ。

「コースによってはしようかなと思いましたけど、ちょっとバントが難しいところに来たのでやめました」

 外角寄りのストレートが来たので見逃し、次の球をスタンドに運んだわけだ。チーム最年長の源田は自分の役割を認識しつつ、甘い球を見逃さなかったのはさすがだった。

【最大の武器は投手力】

 4回までに3点を奪った侍ジャパンは完全アウェーのなかで終始優位に試合を進め、追加点こそ挙げられなかったものの、相手の反撃はソロ本塁打による1点のみに抑えて逃げ切り。危なげない試合運びだった。

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