【日本シリーズ2024】何かがおかしいソフトバンク 26イニング連続無得点よりも気になるリリーフ陣への違和感 (2ページ目)
第1戦では、守護神を務めるロベルト・オスナがなんとかリードこそ守り切ったものの1回で3失点した。ただ、今季のオスナはあまり安定感がなかった。このような事態が起きることは、まったく予測できなかったわけではない。
むしろ、気がかりだったのはほかの投手たちだ。第2戦、6対2とリードした7回裏二死一、二塁で登板した尾形崇斗は、牧秀悟に手痛いタイムリー二塁打を浴びた。第3戦では、"第2先発"として1対1の5回表から登板した大津亮介がいきなり桑原将志に本塁打を許すと、連続四球などから招いたピンチでもう1点を失い、結局1アウトしか奪えず2失点で降板して負け投手となった。
またこの試合では、杉山一樹が1対3の8回表からマウンドに上がると、先頭打者を四球で歩かせると、その後、戸柱恭孝にタイムリー二塁打を献上して手痛い追加点を許した。
そして尾形は第4戦、0対1の6回表二死一塁でタイラー・オースティンを打席に迎えた場面でマウンドに送られて、空振り三振に仕留めて気合の咆哮を上げたが、続投した7回、宮崎敏郎に痛恨のソロを浴びるなど、4失点と炎上してしまった。
大津、尾形、杉山の3人はこのシリーズのなかで「やってもらわないといけない」、いわば計算に入っていたピッチャーだった。特に尾形と杉山については、小久保監督も「勝ちパターン」と明言していた。
ソフトバンクリリーフ陣は、故障者を抱えたことで台所事情が苦しくなっている。レギュラーシーズンで50試合に登板して14セーブ、23ホールドを記録した松本裕樹は右肩痛で離脱中。40試合登板で19ホールドの藤井皓哉も腰痛で不在だ。
その穴を、50試合に投げて防御率1.61と飛躍を遂げた杉山と、最速158キロを誇り9月以降は9試合無失点、その期間の奪三振率12.46をマークした尾形が埋める公算となっていたのだ。
逆転日本一に向けて、ソフトバンクは第6戦にパ・リーグ最多勝の有原航平、第7戦には同最優秀防御率のリバン・モイネロが先発する予定になっている。両投手とも長いイニングを投げられるタイプとはいえ、接戦に持ち込まれたときにリリーフ陣に綻びがあるのはあまりに痛すぎる。
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