【侍ジャパン】清宮幸太郎が語った「覚醒の理由」 プレミア12の国際舞台でも輝けるか (3ページ目)
いったい、何が変わったのだろうか。
「前までは左足に乗ったときにトップをつくって、そのまま打ちにいっていました。でも今は左足に乗って、体重移動するタイミングでトップをつくるようにしたら、間(ま)ができるようになったという感じですかね」
打撃動作で上半身と下半身の"割れ"や"分離"、"セパレーション"と言われるものができ、うまく間が取れるようになったと清宮は言う。チームメイトのアリエル・マルティネスと話しているなかで、ヒントが得られたという。
「(今の打ち方になって)バットが出やすくなったんですかね。変なところに力を入れず、素直に振れるようになったかなと思います。(打球の質も)安定しだしました。ミスが減ったかなと思います」
打順は全体的にハマる場所に据えられるだろうが、今季後半戦と同じような打撃ができれば、侍ジャパンでも中心を担うことは間違いない。
今後は11月9、10日のチェコ戦を経て、13日に初戦を迎えるプレミア12ではオーストラリア、韓国、チャイニーズタイペイ、キューバ、ドミニカ共和国との対戦が続く。見知らぬ相手と打席で対峙することになるが、外国人投手にはどんなイメージを持っているだろうか。
「日本のピッチャーと、やっぱりタイミングが違うなって思います。それこそプロ野球にも外国人のピッチャーがいますけど、それは感じますね」
とりわけ中南米には、小さいテイクバックでパッと投げてくる投手も珍しくない。日本人とは異なる投球モーションの相手に対し、覚醒した清宮はどんなバッティングで対応するのだろうか。自身の役割を聞かれると、こう答えた。
「チームを勝たせるバッティングができるのが一番だと思います。得点圏とか、点が欲しいときに点が取れる役割を果たせればと思います」
今季後半戦で生まれ変わった姿を見せた清宮は、日の丸を背負ってどんな活躍を見せてくれるのか。楽しみな大会がまもなく始まる。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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