オリックス新監督の岸田護にOB星野伸之が期待「自分のカラーを打ち出していってほしい」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――ピッチャー出身の監督は、阪急時代の1980年・梶本隆夫さん以来44年ぶりです。

星野 ピッチャーからの目線で嫌なことを逆に仕掛けていくようなことは、もしかしたらあるのかなと。中嶋監督はあまりランナーを動かしませんでしたが、ランナーの動かし方にそれが表われたりするかもしれない。ただ、結局やるのは選手なので、そういった作戦を遂行できる選手がいるかどうか、育てていけるのかどうかにかかってくるのですが。

――3連覇を成し遂げた中嶋監督の後を受け継ぐプレッシャーはあると思いますが、星野さんから岸田新監督に対してどんな言葉をかけたいですか?

星野 監督は、これまでとは比較にならないぐらい全方位に神経を使わなければいけませんし、苦労することも多いと思います。そんななかで私が言いたいのは、「自分のやりたいことを遠慮しないでやってほしい」ということ。それがうまくいくかどうかはわかりませんが、中嶋監督の築いてきたものを受け継ぎながら、自分のカラーを打ち出していってほしいです。

 打線やポジションを固定してみるのもひとつ。中嶋監督は日替わりで打線を組み、ポジションを決めていましたが、それは中嶋監督のやり方。その裏付けとなる理論もあるでしょうから、なかなか継承していくのは難しいと思うんです。一方で固定するよさは、各選手の役割がはっきりするということ。あくまでひとつの例として挙げましたが、要は自分が考えていることを積極的に試していってほしいということです。

 秋季キャンプ、春季キャンプ、オープン戦と来季を迎えるまでの期間にどんなチームを作り上げていくのか、注目していきたいです。

【プロフィール】

星野伸之(ほしの・のぶゆき)

1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。通算勝利数は176勝、2000三振を奪っている。2002年に現役を引退し、2006年から09年まで阪神の二軍投手コーチを務め、2010年から17年までオリックスで投手コーチを務めた。2018年からは野球解説者などで活躍している。

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