オリックス新監督の岸田護にOB星野伸之が期待「自分のカラーを打ち出していってほしい」 (2ページ目)
――当初先発だった岸田新監督が抑えに配置転換されたのは、当時オリックスの指揮を執っていた岡田彰布監督の意向でしたよね。
星野 そうですね。同様に先発からリリーフに転向した平野佳寿とジョン・レスターが勝ちパターンのリリーフでいたのですが、レスターの調子が上がらないとき、岡田監督が「岸田を後ろへ回す」と。それが見事にハマりました。平野、岸田のリレーが交流戦優勝(2010年)の大きな力になったと思います。
当時は平野の球がめちゃくちゃ速かったんです。なので、平野の後に投げる岸田新監督は大変な部分があっただろうなと。抑えとして十分な活躍をしてくれましたけどね。選手時代に優勝を経験できなかったのですが、コーチになって優勝した瞬間、平野らが岸田新監督のところへ行って選手同士のときみたいに喜んでいたシーンがあって......。それをみたときには「よかったなぁ」と感動したものです。
【オリックス44年ぶりの「ピッチャー出身監督」に期待すること】
――今季は6月から一軍の投手コーチを任され、ブルペンを担当されていました。
星野 ベンチで中嶋監督の近くにいたわけではないと思いますが、ミーティングでは中嶋監督の言葉や考え方がすごく勉強になったはずですし、今後の監督業に活かしていってほしいです。ただ、中嶋監督のやり方を継承していくこととは別に、自分で思い描いていることも当然あると思います。中嶋監督はキャッチャー出身ですが、岸田新監督はピッチャー出身ということで、見てきた野球の角度も違うでしょうから。
――中嶋監督の野球を継承する上でも、指揮を執るのが初めてという意味でも、水本勝己ヘッドコーチが残ったのは大きいですね。
星野 すごく大きいです。いい相談役にもなると思いますし、これまでも中嶋監督が考えていることを、うまく選手に伝えていっているように見えたので。
それと、ピッチャーって試合中はキャッチャーしか見ていないことが多いんです。スコアリングポジションにランナーが進塁すれば外野手の位置を確認したりしますけど、ランナーなしの時にそこまで外野などを確認しないので。その点は岸田新監督も、投手コーチの経験を経て視点も多角的になっているとは思いますけど、全体的に物事を見られるのは、やはりヘッドコーチだと思います。
2 / 3