【ドラフト2024】センバツ準V右腕・竹田祐、「三度目の正直」で指名はあるか? (2ページ目)
【社会人3年目、25歳、ラストチャンス】
指名漏れの知らせに、竹田の父親は居てもたまらず大阪郊外の自宅からクルマを飛ばし、息子の住む兵庫県明石市の野球部寮まで駆けつけた。そして、2度の指名漏れの悔しさを和らげようと、回転寿司店に連れて行った。しかし、ふだん20皿はペロリと平らげる寿司を、竹田はショックのあまり「たった3皿しか食べられなかった......」と言う。
そして迎えた2024年、社会人3年目。「プロへのラストチャンスだと思って、後悔なく毎日を過ごそう」と、竹田は不退転の覚悟で野球に向き合った。
明大4年時は、プレートの三塁側を踏んでいたところを真逆の一塁側に変更。社会人1年目には、スリークォーターからオーバースローにするなど試行錯誤を繰り返して、今まで以上に進化の可能性を模索した。
手始めに、2カ所の動作解析に通った。そこで己の現状を把握すると、フォームの修正に取り組んだ。さらには守安玲緒投手コーチの提案により、長年ノーワインドアップで投げていたスタイルを、明大3年秋に一度取り組んだ「常時セットポジション」に再トライした。
すると、これが見事にハマった。
「上半身のムダな動きがなくなったことで、フォームのバランスがよくなった。今まではスピードを出そうとして力んでいたけど、今季は軽く投げようと心がけたら、逆にスピードが出るようになりました!」
食生活も見直した。世界的テニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチが実践したことで広まった「グルテンフリー」も取り入れた。
「キッカケは『お腹のなかに小麦が溜まることによって、栄養が筋肉まで行きにくい』って大学の後輩から聞いたので。実践してみたら、身体がメッチャ大きくなりました」
グルテンフリーを始めたことで、「睡眠の質がよくなった」のも大きな収穫だ。昨季のドラフト解禁年は登板過多の疲労によって「フォームがバラついた」ことで長らく不調に陥っていたが、睡眠の質が向上したことで「夏を乗り越えられた」と語る。
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