【ドラフト2024】センバツ準V右腕・竹田祐、「三度目の正直」で指名はあるか? (3ページ目)
【明大の先輩・柳裕也直伝のカーブも披露】
それらすべてのトライが噛み合ったことにより、道はついに開ける。今春のJABA京都大会で、自己最速の153キロをマークしたのだ。
そして、社会人野球最大の舞台である、夏の都市対抗。3年連続で初戦を託された竹田は、初回からこの日最速の152キロをマークするなど、東京ドームで自身初となる大台を連発する。ところが3回、2死三塁からから連続二塁打を浴びて昨年ベスト4の王子に一時逆転されると、思わず「昨年(=4回を持たずKO降板)がよぎった......」。
その流れを変えるべく、竹田は4回以降、変化球の割合を増やすピッチングへとシフト。その球種のバリエーションも実に豊かだ。
得意のスライダーと「真っ直ぐの出力アップにつれて高速化した」フォーク、カットボール、それらに織り交ぜて「ここぞの時には必ず投げる」明大の先輩・柳裕也(現・中日)直伝のカーブと、すべての持ち球を駆使。以降は無安打に抑えると、終盤に味方が勝ち越し、結局9回を5安打3失点。8つの三振はすべて空振りで奪い、社会人では自己最多145球の力投で初完投・初勝利を飾った。
もちろん、各球団のスカウトはこの大一番の試合をしっかりと視察。阪神は12球団最多の6人態勢で訪れていた。巨人や楽天が4人態勢でクロスチェックしていたのも、今ドラフトを占ううえでは見逃せないポイントだ。
そんな竹田に、プロ入りにかける想いをあらためて尋ねた。
「今まで悔しい思いをしました......。けど、『あの日があったから大きくなれた』と、笑って話せる日がくればいいなと」
また、3度目のドラフトを迎える現在の心境については、「1年間、やることをやってきて、自分でもまずまず納得の行く結果も出ました。『今年こそは!』と思っているので、ソワソワはしてないです(笑)」。
2度の挫折を乗り越え、「三度目の正直」なるか──。かつてのセンバツ準V右腕は、「その時」が来る瞬間を待ちわびている。
【写真】プロが注目する2024年のドラフト候補たち フォトギャラリー
3 / 3