【ドラフト2024】ソフトバンクが黄金時代構築のために獲得したいのは大器の高校生と中継ぎ左腕だ! (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

 春のセンバツ時の豪速球だったら、今朝丸裕喜(報徳学園/投手/188センチ・80キロ/右投右打)で決まりだったかもしれないが、夏の甲子園がもうひとつだっただけにどうか......。復調していれば、タテの鋭い変化球はプロでも勝負球になるだけに、堂々の「1位」だ。

 地元・福岡には柴田獅子(れお/福岡大大濠/投手/186センチ・85キロ/右投左打)という"二刀流"の逸材がいる。これだけのサイズなのに、投げても打ってもボディバランスは抜群。手元の強さが光る145キロ前後の速球にスプリットも絶品。打つほうでも超高校級の長打力とジャストミート力。1位でもいい逸材だ。

 同じ九州の大分には、狩生聖真(かりゅう・しょうま/佐伯鶴城/投手/186センチ・72キロ/右投右打)というスケールと伸びしろの大きさを感じさせる投手がいる。回転数抜群で、球速表示よりも体感速度の高いストレートは一級品。あと10キロ体重が増えれば、劇的に伸びる可能性がある。

夏の甲子園で活躍した東海大相模の超大型左腕・藤田琉生 photo by Ohtomo Yoshiyuki夏の甲子園で活躍した東海大相模の超大型左腕・藤田琉生 photo by Ohtomo Yoshiyukiこの記事に関連する写真を見る

【社会人から左の中継ぎ候補を】

 さらに関東にも、今のソフトバンク投手陣と競争できる大器がいる。その一番手が清水大暉(前橋商/投手/193センチ・93キロ/右投右打)。長身から投げ下ろすボールは角度があり、スライダー、スプリットの変化球も秀逸だ。

 野球ファンとして心情的には、ソフトバンクほどの組織力があるのならば、1位でいきなり今夏の甲子園で大奮闘して、大器の素質を見せつけた藤田琉生(東海大相模/投手/198センチ・96キロ/左投左打)を指名。数年後、日本球界に前例なしと言われた超大型左腕を大成させ、「どうだ!」と胸を張ってほしい気もするのだが......。

 ソフトバンクの今季の戦いを振り返って、"不足"しているなと感じたのが左の中継ぎ投手。外国人のダーウィンゾン・ヘルナンデスと日本ハムから移籍してきた長谷川威展(たけひろ)が頑張ったが、とにかく消耗の激しいポジションだ。補強は欠かせない。

 ただ、コントロールの精度と勝負球、そして毎日準備をする心身の頑丈さ。そのうえ左腕となると、なかなかいるものではない。

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