CSファイナルにきたらソフトバンクが困るチームは? 攝津正が対戦成績など相性から予想した (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――楽天のピッチャー陣はどう見ていますか?

攝津 シーズンを通して見れば打てていないことはないのですが、直近の試合では抑え込まれることが散見されます。たとえば、早川隆久には8月20日の試合で6回無失点、翌日には内星龍からも6回1/3で1点しか取れていません。瀧中瞭太にも9月21日の試合で7回1失点に抑えられているので、ハマってしまった場合は怖い感じがします。

 ルーキーの古謝樹にも、直近の試合(9月10日)では4点取って攻略できましたが、それまでは抑えられていました。ソフトバンクは左バッターが多いので、早川、藤井、古謝と左ピッチャーの先発が揃っているのも嫌だっただけに......ロッテとの直接対決も含めて4連敗は痛すぎましたね。

――ただ、ファーストステージで登板した先発投手は、登板間隔を考えるとファイナルステージで投げられません。1勝のアドバンテージに加え、このことも大きなアドバンテージです。

攝津 そうですね。ファーストステージでエース級のピッチャーを登板させる可能性が高いでしょうし、そうなればファイナルステージの最初のほうの試合では投げられませんからね。先ほど(前編で)もお話しましたが、短期決戦は状態のいい選手の見極め、データに頼りすぎないことが大切です。シーズンとはまったく異なる戦いになるので、いま一度気を引き締めて頑張ってもらいたいです。

【プロフィール】
攝津正(せっつ・ただし)

1982年6月1日、秋田県秋田市出身。秋田経法大付高(現ノースアジア大明桜高)3年時に春のセンバツに出場。卒業後に入社したJR東日本東北では、7度(補強選手含む)の都市対抗野球大会に出場した。2008年にソフトバンクからドラフト5位指名を受け入団。抜群の制球力を武器に先発・中継ぎとして活躍し、沢村賞をはじめ、多数のタイトルを受賞した。2018年に現役引退後、解説者や子どもたちへ野球教室をするなどして活動。通算282試合に登板し、79勝49敗1セーブ73ホールド、防御率2.98。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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