清原和博、小久保裕紀、ローズ、ペタジーニ...仁志敏久が振り返る巨人軍超重量打線「来年は誰が来るんだ?」「さすがに獲りすぎ」 (2ページ目)
【打席で気にしていたのは捕手のクセ】
── 盗塁についてですが、2000年は11盗塁で失敗が19。2001年は20盗塁で失敗が3。そして2002年は22盗塁で失敗なし。成功の秘訣を会得したのでしょうか。
仁志 2000年の時は、カウント3ボール2ストライクの自動スタートの状況で"三振ゲッツー"が何度かあり、盗塁に至らない不運も重なったような気がします。成功率が上がったのは、超強力打線への移行期ということもあって、「一か八かのスタートはよくない」という考えが自分のなかにありました。むやみにスタートをきって、アウトになってはいけないと。投球モーションを見て、スタートできるか否かを判断していました。なかには、セットポジションに入る前からクセが出ている投手がいました。
── やはりクセを見抜くのですね。
仁志 動けば動いただけクセは出ます。現在のようにバイオメカニクス(生体力学)的な観点から見てくれる人がいなかったので、いろいろな人の意見を参考にして、どうやってスタートしたらいいか考えていましたね。
── バッティングについては「目つけは真ん中外寄り、ストレート系をセンター中心に打つ」ことを意識していたと聞いたことがあります。
仁志 アマチュア時代はクリーンアップを打つタイプだったので、どうしても球を運ぶようなイメージがありました。ただ、プロ入り後はバットを比較的短く持って、パンチショットみたいに上から叩くような感じになりました。それでも自分の個性を削ってまで単打を打とうとは思っていませんでした。
── 一時期メジャーを席巻した"フライボール革命"についてはどう思いますか。
仁志 もちろん間違いではないですが、人ぞれぞれの考えや感覚もあるので、個人的にはあまり流行りに乗らないほうがいいと思います。大谷翔平くん(ドジャース)のように、そういうスイングができて、あれだけのスイングスピードがあれば問題なくできると思いますが、試合で結果を出すとなると簡単ではないでしょう。あのスイングが絶対に正しいと思ってやると、失敗する危険性があると思います。本当に自分に合ったスイングを探すのが、一番の正解だと思います。
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