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ベイスターズの逆転CS進出、優勝の可能性は? 野村弘樹が好調の理由と今後の展望を分析 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi

── 1、2番が出塁して、中軸で還す。打線として理想のパターンがつくれているのも、今季の特長と言えるのかもしれないですね。

野村 ですね。正直、開幕前はオースティンをあてにしていませんでした。ただ、彼は今季3年契約の3年目なんですよね。そりゃ必死になるでしょう。"外国人選手あるある"です(笑)。

── また、マスクを被る山本祐大選手の活躍も見逃せません。

野村 一番はバッティングの成長ですね。配球をしっかり考えて、結果が出るようになってきた。その効果が、リードにも反映されている気がします。打席でも、マスクを被っていても"ゆとり"を感じます。

── 残り試合はわずかとなってきましたが、DeNAは上位3チームとの対戦を多く残しています。一戦必勝に変わりはないでしょうが、具体的にポイントはどんなところになりますか。

野村 先程も言いましたが、負け越している相手との戦いになるので、ここまでのデータを再度確認するでしょうし、そのなかでいかに勝機をつかむことができるか。奇策は必要ないと思います。ほかのチームにも言えることですが、一番大事なことは連敗しないこと。連勝できればいいですが、まずは連敗しないことを最優先に考えるべきだと思います。

── 最後まで混戦は続くと思いますか。

野村 上位3チームは、それぞれ弱点があります。広島は長打力に乏しく、打線に爆発力がない。阪神は負けにつながるミスがある。守備はもちろん、バントの失敗なども目につきます。巨人はリリーフ陣が不安定で、大勢につなぐ前に失点するケースが多い。DeNAがCS争いに加われたのも、上位チームに決め手がないから。だから最後まで、混戦状態は続くと思います。


野村弘樹(のむら・ひろき)/1969年6月30日、広島県生まれ。87年ドラフト3位でPL学園から横浜大洋ホエールズ(げん・横浜DeNAベイスターズ)に入団。プロ3年目の90年に11勝をマーク。93年には17勝を挙げ最多勝投手に輝いた。98年に13勝でチームの38年ぶり優勝、日本一に貢献したが、99年に左ヒジを手術した。2001年に通算100勝を達成したが、02年に左ヒジの状態が悪化し、現役を引退。その後、ベイスターズのコーチをつとめ、現在は野球解説者として活動している

著者プロフィール

  • 木村公一

    木村公一 (きむらこういち)

    獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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