清水直行がロッテの「日替わり打線」を分析 成長曲線上向きの藤原恭大ら飛躍に期待の若手は? (3ページ目)
【ルーキーの上田、寺地にも期待】
――個々の選手の話に戻りますが、現状のロッテのバッター陣で藤原選手以外に注目している選手はいますか?
清水 小川龍成です。もともと守備はよかったですが、打席での粘りが出てきて自分のヒットゾーンもわかってきた。攻守に存在感が出てきましたね。しかし、彼が確固たるレギュラーになるために必要なのは、打球の力強さ。今の打球では、小技ができるユーティリティープレーヤーという枠から脱却できません。
ただ、彼は自分がやらなければいけないことを熟考して泥臭く取り組み、頭角を現わしてきました。それは評価すべきだと思います。彼はもっとできると期待していますし、あとひと皮、ふた皮むけるためにも打球の強さを追求してほしいです。
泥臭くといえば、藤原もそうですよね。追い込まれたらノーステップで打つ決断をして、打てる確率が上がった。泥臭く地に足をつけ、真摯な態度で取り組むことが成功への近道です。
――ケガで二軍調整中ですが、ドラ1ルーキーの上田希由翔選手はいかがですか?
清水 「使いたいな」と思わせるぐらいの安定感が出てきたら面白いなと。現在サードを守っている中村奨吾を脅かす存在になれば、内野の相関図が変わっていくでしょう。そういう意味では、彼の成長がチームを変えていく可能性があります。
あとはファームで結果を出している、やはりルーキーの寺地隆成。非凡な打撃センスがありますし、キャッチャーだけではなくほかのポジションで可能性を探ることもひとつかなと。あくまで僕の個人的な意見ではありますが、キャッチャーから転向して成功している選手は過去に多いですし、彼は足もありますしね。
とにかく、バッター陣はいつまでも外国人助っ人やベテランたちに頼ってばかりはいられません。若手の成長と下からの突き上げに期待しています。先ほどもお話しましたが、技術と体力が伴った確固たるレギュラーと呼べる選手が、若手のなかからもっと出てきてほしいですね。
【プロフィール】
清水直行(しみず・なおゆき)
1975年11月24日に京都府京都市に生まれ、兵庫県西宮市で育つ。社会人・東芝府中から、1999年のドラフトで逆指名によりロッテに入団。長く先発ローテーションの核として活躍した。日本代表としては2004年のアテネ五輪で銅メダルを獲得し、2006年の第1回WBC(ワールド・ベースボールクラシック)の優勝に貢献。2009年にトレードでDeNAに移籍し、2014年に現役を引退。通算成績は294試合登板105勝100敗。引退後はニュージーランドで野球連盟のGM補佐、ジュニア代表チームの監督を務めたほか、2019年には沖縄初のプロ球団「琉球ブルーオーシャンズ」の初代監督に就任した。
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